November, 4, 2022, 福岡--東北大学、京都大学、九州大学の共同研究チームによると、人工多能性幹細胞(iPSC)や生体幹細胞から生体のミニ組織(オルガノイド)を作ることが可能となったことで、薬剤探索ツールとしての活用が期待されている。
ミニ組織モデルの機能を維持しつつ生体内の機能に近づけるためには、ミニ組織の周囲に血管網を整備することが不可欠。しかし、血管と統合したミニ組織モデルの機能評価の効率に課題を残していた。
東北大学、京都大学、九州大学の共同研究チームは、電気化学センサの一種、走査型電気化学顕微鏡(SECM)を用い、血管と統合されたミニ組織モデルの酸素代謝活動を評価するシステムを開発した。また、実際にガンのオルガノイド(ガンのミニ組織)に実際に応用して酸素代謝の変化を元に薬剤効果の評価が可能であることを確認した。
今回開発したシステムは、血管を介して投与される薬剤の応答をリアルタイムで評価できる。今後、評価項目の拡充や評価結果の安定性の向上により、薬剤スクリーニングツールとしての応用が期待される。
研究成果は、バイオセンシング分野の国際的な学術誌である『Biosensors and Bioelectronics』に、2022 年10 月29 日付で掲載された。
(詳細は、https://www.kyushu-u.ac.jp)