August, 5, 2022, Aachen--2つの研究機関、Fraunhofer-GesellschaftとMax-Planck-Gesellschaftは2022年3月1日に協働プロジェクト“LAR3S”を立ちあげた。このプロジェクトでは、研究グループは、レーザで3Dフォトニックコンポーネントを製造する全く新しいアプローチを採用する。選択的レーザ誘起エッチングと逆レーザ穴開けに焦点を合わせている。主目標は、大幅に自動化できるプセスと手順を達成すること。
マイクロ構造の産業製造向けの新しいアイデア
ガラスは、魅力的な材料である。透明であるだけでなく、その材料の内容積も加工できる。ガラス内部を加工するために、レーザ照射を使って材料に侵入すると、3次元全体で広範な形状自由度で多様な透明材料を加工することができる。しかし、問題は、細部である。亀裂や割れ目のない結果を達成するには、研究は、まず材料特性と加工プロセスを詳細に理解する必要がある。
プロジェクト“LAR3S – Laser-generated three-dimensional photonic components,”で、パートナーは、それぞれの特別なノウハウを使って共同でプロセス知見を拡大し、レーザで多様な3D構造を製造するための新しい技術を開発することを考えている。Max Planck Institute for the Science of Light (MPL), Fraunhofer Institute for Laser Technology ILT およびFraunhofer Institute for Silicate Research ISCが関与している。
ガラスファイバにレーザ穴開け
30年前、全長に沿って穴のあるガラスファイバを製造するというアイデアが、信じられないとして一笑に付された。現在MPL名誉ディレクタ、Philip Russellをリーダーとするチームが、まさにこれをする技術を開発した。そこではガラスロッドまたはチューブが、いっしょにスタックされ、長く引き伸ばされる。これは、今日、特別な断面を持つグラスファイバが線引きされる仕方であり、スタック&ドローンプロセスとしても知られている。中でも、固体ファイバを破壊する高強度レーザビームを伝送できる構造化中空コアファイバを利用することができる。
構造化ファイバの作製は、スタック&ドロー法を使用すると、通常、六角形に限定される。Fraunhofer ILTのエンジニアは、特許プロセス、逆レーザビーム穴開けを継続して開発している。これにより、もっと複雑で、潜在的に多くの利点を持つ構造が、完全に自動製造可能となる。このプロセスでは、レーザビームは、透明コンポーネントを通してリアサイドに集束し、スキャナでアブレートされるように表面に移動する。ある意味、レーザは、ガラス後方に穴を開ける。これにより、大きなアスペクト比のほぼどんな構造でも、ファイバブランクに導入可能となる、また他の透明材料にも全く問題ない。将来、その構造は、人工知能を備えたコンピュータで計算され、レーザで直接製造される。
Fraunhofer ISCは、プロジェクトにプロセス制御の重要な能力を持ち込む。アブレートされた材料をボアホールから除去する。この目的のためにFraunhofer ISCとプロジェクトパートナーは、レーザパラメタを最適化し、プロセス最適化のために物理的、あいるは化学的方法を開発している。その目標は、200㎜長のファイバプリフォームで調整された分散特性を持つ構造を作ることである。
選択的レーザ誘起エッチングによる3Dマイクロ構造
マイクロ材料アプリケーションを強化できるもう1つのプロセスは、選択的レーザ誘起エッチングである。このプロセスでは、集束超短パルスレーザ放射を利用して透明材料の体積と表面をクラックなしで構造化する。これにより、後に選択的にエッチングできるように化学的特性を変えることができる。焦点がワークピースの中でズレると、隣接部分が変更され、これは第2プロセスステップでウエット化学エッチングにより除去できる。この2パートプロセスは、ユーザに高度な形状自由度も提供する。
プロジェクトパートナーは、そのプロセスの最適化を考えている。主な目的はレーザマイクロ共振器の製造における新しい形状である。そのようなサブミリメートル構造は、例えば通信、量子技術で使える。カプラー、コンバータあるいはセンサとして、光コンポーネントのさらなる微小化や集積化を可能にする。
(詳細は、https://www.ilt.fraunhofer.de)