デスクトップ3Dプリンティング市場規模､2030年に123億9000万ドル

June, 23, 2022, San Francisco--Grand View Researchのレポートによると､世界のデスクトップ3Dプリンティング市場規模は､予測期間にCAGR 21.0%成長で2030年に123億9000万ドルに達する見込である｡

デスクトップ3Dプリンティングは､コンピュータ支援デザインソフトウエア､あるいはデジタル3Dモデルの助けを借りて3D物体を設計､製造する｡デスクトップ3Dプリンタの市場は､大きく成長する｡複数の業種､歯科､ヘルスケア､ファッション､宝石､オブジェクト､ギフトにおけるプロトタイピング､デザイン需要による｡同技術は､SME企業にコスト効果の優れたソリューションを提供するので､従来の製造法と比較して最小製造コストで製品をカスタマイズできる｡

デスクトップ3Dプリンティングは､ホビィイストやイノベータの3Dプリンティング技術嗜好により､増加している｡個人は､家庭や個人的目的にデスクトップ3Dプリンティングを利用するが､大学や教育機関は､デスクトップ3Dプリンティングを技術訓練や研究目的で使用している｡南アフリカ､ブラジル､インドなどの開発途上国における市場の成長は目を見張るものがある｡これら諸国のユーザが､従来の製造法から3Dプリンティングへ切り替えたからである｡開発途上経済は､関連サービス､デスクトップ3Dプリンティング材料､3Dモデリング､フィラメント､3Dプリンタソフトウエアを提供するデスクトップ3Dプリンタを選択している｡

公私分野での広範なR&D活動が､デスクトップ3Dプリンティングと関連技術の成長を推進している｡政府や民間投資会社による投資増によりメーカーは､既存の3Dプリンティング技術の革新を進めざるを得なくなっており､これが最先端の技術の採用を促進している｡

2021年､北米が最大市場シェア約35%だった｡これは､複数の産業でモデリング､設計､プロトタイプやコンポーネントの製造に3Dプリンタ導入が激化したためである｡その一方で､APACは予測期間に､CAGR 24.4%成長で､優勢な地域となると推定される｡2021年､同市場は､5億1820万ドルだったが､2030年には36億9000万ドルに達する見込｡説得力のある成長である｡APAC市場の発展を推進する要因の一部に含まれるのは､急速な産業化と都市化､公共インフラストラクチャの発展､コンシューマエレクトロニクス製品の普及､最適化された労働コストである｡

デスクトップ3Dプリンティングは資本集約的な技術である｡会社によっては､デスクトップ3Dプリンティングの利点の利用にまだ躊躇しているところもあり､プロトタイピングについての誤解に執着している｡市場は､デスクトップ3Dプリンティングが要求する標準化されたプロセス制御､資格のある労働者がなく､これらの要素が市場の拡大を制約する可能性がある｡とは言え､3Dプリンタを使うことの利点についての認識向上と奨励をターゲットにした政府の活動が､市場の制約克服に役立つと期待されている｡

デスクトップ3Dプリンタレポートハイライト
･デスクトップ3Dプリンティング技術が普及している｡効率的､正確､迅速なプロトタイピングや最適化されたTime to Marketが得られるからである｡
･デスクトップ3Dプリンタ需要は､個人利用でホビィイストの間で､また研究やトレーニング目的で教育機関で増加している｡
･機能パーツセグメントが､2021年に市場で優位を占め､2030年までに市場シェアは48%を超える見込である｡
･プラスチックセグメントが､全市場の約55%のシェアだった｡しかし､金属セグメントが､最速成長となる見込である｡自動車､航空宇宙&防衛を含む複数の業種から金属3Dプリンティングの需要が増加しているためである｡
･APACは､複数の製造業にとって製造ハブである｡急速な都市化が､インフラストラクチャの必要性を後押しし､中国､日本､韓国などで様々な産業業種がデスクトップ3Dプリンティングを採用している｡
･同産業における目立つプレイヤは､3D Systems, Inc., 3DCeram, Dassault Systèmes, EnvisionTEC, Materialise NV, and Stratasys Ltd.｡