金属粉末積層造形(AM)世界市場規模､2030年までに18億2500万ドル

April, 11, 2022, Delware--Global Market Insightsの調査によると､金属粉末積層造形(AM)市場規模は､軽量で高品質の自動車や航空宇宙コンポーネント需要増により､2030年までに18億2500万ドルを超える見込である｡

インドや中国など新興経済における自動車製造の増加､医療分野の成長､ヘルスケア支出の増加が､予測期間に市場の成長を後押しすると見られている｡

スポーツのケガや交通事故による歯の損傷数の増加とともに歯の置き換え需要増が､歯科インプラント需要を押し上げ､産業の成長に有利に働くと見られている｡セラミック､金属､有機材料やプラスチックを含む一連の新材料とともに､技術的進歩が高品質製品の製造を可能にしている｡このトレンドが､3Dプリントされたパーツを製品に利用するようにメーカーを後押ししており､これが市場規模拡大を促進する｡

軽量自動車部品需要の増加が､ブローンパウダー製造技術の利用を促進
　ブローンパウダー製造技術は､金属粉末積層造形市場で大きなシェアを占めており､2030年までに2億ドルを超える見込である｡自動車で空気や燃料流量を管理するマルチポート､パッセージ､ダクトやバルブなど軽量コンポーネントの需要増が､予測期間にセグメントの成長を刺激する見込である｡大きな部品サイズの作製能力､高速粉末蒸着､粗い粉末採用が､ブローンパウダー製造技術の利用を一段と後押しする｡

レーザ金属蒸着(DMD)製造技術が予測期間にCAGR 20.5%で成長し､2030年末までに1億5650万ドルに達する見込である｡航空分野で､複雑で高価な部品の修復､新しいコンポーネントの導入コスト削減のためにDMD技術の利用増が､セグメント成長を段階的に拡大している｡レーザエンジニアリング･ネットシェイプ(LENS)法が､使用されるのは､正確な製造と優れた機械強度を製品に変換するために完全に緻密な形状クローズドループ制御を構築することである｡

強度増強､優れた耐腐食性､高い耐熱特性が､金属粉末AM市場で合金需要を段階的に拡大
　合金材料は､予測期間にCAGR 27.0%で成長し､2030年末までには7億500万ドルに達する見込である｡自動車や航空宇宙産業で合金の応用増は､耐腐食性､高強度､耐久性&耐熱性､優れた電気伝導性に関わるものであり､したがって製品需要を促進する｡航空宇宙､自動車､石油&ガス､エネルギーなど､広範な産業で優れた品質のコンポーネントの需要増が､予測期間に合金需要を押し上げると見られている｡

チタン合金市場は､2021年に4650万ドルを超えた｡また､同セグメントは､予測期間にCAGR 29.0%成長が見込まれている｡広範な産業コンポーネント､ファスナー､ブレード､ディスク､リング､ハブ､ベッセルなどのコンポーネントが､同セグメントの成長を段階的に伸ばす｡同様に､軽量アルミニウム合金は､多くの産業用航空宇宙､自動車アプリケーションで幅広く採用されている｡優れた溶融特性が､アルミニウム合金を特に､3Dプリンティングアプリケーションでの利用に最適にしている｡

エネルギー効率のよい車輌の開発重視が､自動車アプリケーションからの金属粉末AM市場需要を後押し
　2021年､自動車アプリケーションは､8650万ドルに達した｡同セグメントは､予測期間にCAGR 22.0%成長が見込まれている｡AM技術は､自動車分野では､迅速プロトタイピングや自動車部品の製造に適用されている｡これは､最大の設計自由度､CO2排出削減､軽量&エネルギー効率の優れたコンポーネントの製造に関わるからである｡カーボンフットプリント削減のため､軽量車輌需要増とともに車輌の全般的な性能強化がますます重視されており､これが製品需要を後押しする｡

自動車OEMは､主に素迅速プロトタイピングと複雑な形状のためにAMを利用している｡多様な自動車部品やエンジニアリングツールは､この技術を使って製造される｡高度なカスタマイズ､最大のコスト便益のためである｡BMW, Rolls Royce, およびFordなどの大手は､機能プロトタイプやコンセプトモデルの冶具やフィクスチャなどのアプリケーションにこの技術を使っている｡これが､金属粉末AMの需要を一段と拡大する｡

ヨーロッパの先進的自動車産業が､金属粉末AM市場の成長を後押し
　ヨーロッパの金属粉末AM市場は､2021年に1億3600万ドルに達し､市場は予測期間にCAGR 22.0%成長が見込まれている｡自動車メーカーは､小型および複雑な自動車部品の製造にAMを使用している｡したがって､ヨーロッパの先進的自動車産業､Mercedes, Audi, BMW, Volkswagen およびFordなどの主要自動車メーカーが､市場の成長を牽引すると期待されている｡消費者の選好が自家用車､高性能車にシフトしており､CO2放出に対する厳しい政府の規制と相俟って､地域産業の成長を後押しする｡同地域の航空宇宙企業は､モデルやプロトタイプ開発のコストを最小化するためにこの技術を利用しており､これが産業の成長に有利に働いている｡したがって､航空宇宙や自動車産業における複雑な構造や小型コンポーネントに対する需要増が､金属粉末積層造形市場の成長に有利に働くと予想されている｡