November, 26, 2021, 京都--島津製作所は、「細胞観察サポートWebアプリケーションCell Pocket Ver2.00」(「Cell Pocket Ver2.00」)を発売した。
実験データである細胞画像の共有を実現し、AI (deepLearning)が細胞の数量・面積などを高速・高精度で算出する、細胞培養ラボ向けデータ管理・解析ソフトウェア。ラボやオフィスのパソコンに点在していた画像データを培養条件などと紐づけて保管でき、同社独自のAIによる画像解析機能が培養状態の観察業務を支援。昨年発売「細胞観察サポートWebアプリケーションCell Pocket」に「解析レシピ14種の標準装備」や「プログラミング知識不要の解析処理の設定値変更」といった様々な機能面の改良を加えた。
細胞培養ラボでは培養状態を作業者が目視で判定したり、「観察対象の細胞数の計測」や「コロニー(細胞の集合体)の面積割合」を目算したりといった煩雑な業務が欠かせない。既存の解析ソフトウェアでは、解析条件の設定が複雑で、専門知識や経験が求められる。近年は解析ソフトにAIが搭載されているものの、「大量の教師データ収集の難しさ」「深層学習の解析結果への信頼性」が課題だった。島津製作所が開発した「Cell Pocket Ver2.00」は、独自技術(特許出願中)によって、AIがわずか数十枚の画像を学習しただけで高速・高精度の画像解析が可能。「細胞の個数」「コロニーの形状情報」「細胞異常の存在比率」といった培養現場に即した様々な定量情報の算出を実現した。また、AI学習後の解析精度を検証する機能も搭載しており、深層学習技術に対する信頼性もユーザー自身が確認できる。
「Cell Pocket Ver2.00」は、幹細胞・再生医療の研究および再生医療等製品・細胞培養用消耗品の開発に従事する研究機関・大学・企業などの研究開発の業務効率の向上だけでなく、ラボ全体のデータ集約によって研究部門の円滑なコミュニケーションを実現する。
(詳細は、https://www.shimadzu.co.jp)