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3Dプリンティング市場、2026年に348億ドル

August, 27, 2021, Northbrook--マーケッツ&マーケッツ(MarketsandMarkets)のレポート「3Dプリンティング市場、COVID-19の影響分析、提供品(プリンタ、材料、ソフトウエア、サービス)、プロセス(Binder Jetting、Direct Energy Deposition、Material Extrusion、Material Jetting、Powder Bed Fusion)、アプリケーション、業種、技術、地域、2026年までのグローバル予測」によると、世界の3Dプリンティング市場規模は、2021年の126億ドルからCAGR 22.5%で成長して、2026年に348億ドルに達する見込である。
 COVID-19爆発によるヘルスケアサプライヤ向け需要増、製造プロセス改善、サプライチェーンマネージメント強化が、市場における3Dプリンティングソリューションプロバイダに機会を生み出している。しかし、材料の限られた供給と高コスト、製造物サイズの制約、標準的工程管理の欠如、版権侵害の恐れが、この先数年で市場全体の成長を阻害する可能性がある。

コロナウイルスパンデミックは、世界中でサプライチェーンを著しく破壊した。主要な製造ハブのシャットダウン、医療用品需要の増加と相俟って、3Dプリンティングを使って必需品を製造する必要性を生み出した。ホビイスト、スタートアップ、小企業の中には、鼻咽頭スワブ、人工呼吸器バルブ、フェイスシールドや他の個人用保護具の製造に寄与しているところもある。北米では、NIH 3D Print Exchange、FDA、復員軍人援護局、America Makesが外科手術用フェイスマスクを共同開発した。これには、SLS、MJF技術を使って製造された弾力性のあるストラップ、フィルタ材が含まれている。さらに、ウイスコンシン・マジソン大学外科が、陰圧隔離ヘッドボックスを開発した、これは3Dプリンティングを利用してグラブグロメットを作製している。同様にして、Texas A&M大学は、感染した患者のための物理的障壁として機能する隔離チャンバーを開発。これは、CNC カットビニールと3Dプリントパーツで構成されている。

プリンタセグメントが予測期間に最大市場シェア
プリンタセグメントは、3Dプリンティング市場で最大シェアを獲得している。主に産業用およびデスクトッププリンタが含まれる。3Dプリンティングは、過去10年、並外れた需要を経験した、これは3Dプリンタが従来の製造工程に対して数々の利点があるためである。製造プロセスにおける幅広い利点は、設計の柔軟性、迅速プロトタイピング、プリント・オンデマンド、最小限の廃棄物、高速設計と製造、使いやすさ、時間とコスト効率など。地域のサービスプロバイダの利用性拡大により、世界中で3Dプリンタが入手できるようになっている。従来の中国で海外生産する製造プロセスと比較して時間と流通、さらに輸送コストが削減される。3Dプリンティングはシングルステップ製造工程であるので、製造に様々な装置を使うことに関わる時間とコストの削減が実現する。航空宇宙と防衛、工業、自動車、コンシューマ製品、ヘルスケアなどの業種での3Dプリンティングの採用が、3Dプリンタ市場に機会を与えている。

予測期間に産業分野が支配的な市場
 産業分野向けの3Dプリンティング市場は、3Dプリンティングで最大市場シェアである。スマートライティング、ロボット工学、産業サービス、クラウドアプリケーションのトレンド促進が、産業分野で3Dプリンティング市場に機会与えている。冶具やフィクスチャから腕先(アームエンド)ツーリングまで、産業分野は3Dプリンタの採用をアプリケーションではプロトタイピングから最終製品に移行させつつある。様々な産業で3Dプリンタを利用している企業は、特注、少量ツーリングやフィクスチャを従来価格よりも低コストで作ることができる。これは、設計者やエンジニアに、収益を生む部分に使う時間を与える。小規模のメーカーも世界的なTier1メーカーと同じ利点を享受するので、ダウンタイムを下げながらプロセスを改善、効率化することができる。

APACが最高成長率の見込
自動車、コンシューマ製品、ヘルスケア、工業など様々な業種で3Dプリンティング技術の採用が進むことで市場の成長が促進される。APAC地域では中国が、3Dプリンティング成長に貢献する主要国である。中国の製造分野の戦略的なロードマップ‘Made in China 2025’の一部を形成するAction Planは、中国を主要な3Dプリンティング国の一つにする長期的な意欲と開発目標を説明している。その計画の重要部分の一つは、医療、文化、教育、インターネット分野を含め、10の主要産業で100を超えるこAMパイロットプロジェクトを導入する目標である。