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光ピンセット技術、熱の危険性を克服するために調整

July, 13, 2021, Austin--3年前に、Arthur Ashkinは光ピンセット発明でノーベル賞を受賞した。光ピンセットは、ハイパワーレーザビームの形で光を使い、粒子を捉え、操作する。数十年前に発明されたにもかかわらず、光ピンセットは、まだ大きなブレイクスルーにつながり、生物システム研究に今日広く利用されている。

しかし、光ピンセットには欠点がある。レーザビームとの相互作用が長引くと、分子や粒子を変え、過度の熱でそれらに損傷を与える可能性がある。

テキサス大学オースチンの研究者は、この問題を解決する光ピンセット技術の新しいバージョンを作製した。すでに高く評価されているツールを新たなタイプの研究に広げ、それらの利用プロセスを簡素化する開発である。

過熱の問題を回避するブレイクスルーは、2つのコンセプトの統合によるものである。光(この場合は、レーザ)を照射すると冷却される材料で構成された基板の利用、熱拡散というコンセプト。これは、一般に可動粒子が、より低温の環境に惹きつけられる現象。

より温度の低い材料が粒子を引き寄せ、分離を容易にするとともに過熱から粒子を保護する。熱の問題を解決することで、光ピンセットは、生体分子、DNA、病気などにより広く利用されるようになる。

光ピンセットは、通常のピンセットと同じことをする。小さな物体を取り上げ、それらを操作する。しかし、光ピンセットは、遙かに小さなスケールで機能し、光を使って物体を捉え、動かす。

DNA分析は、光ピンセットの一般的な用途である。しかし、それをするにはナノサイズのガラスビーズをその粒子に取り付ける必要がある。次に、その粒子を動かすために、レーザをビーズに照射する、粒子そのものではない。DNAは、光の熱効果で損傷を受けるからである。

研究チームの次のステップは、自律制御システムの開発を含む。特別なトレーニングを受けていない人にも光ピンセットが使いやすくなり、血液や尿など体液のピンセット取扱能力を拡大するためである。また、チームは、研究成果の商用化にも取り組んでいる。

(詳細は、https://news.utexas.edu)