November, 26, 2020, Cambridge--ケンブリッジ大学スピンアウト、Porotechは、同社の革新的GaN製造技術に基づいた最初の製品を発表した。同社によると、その製造技術はエレクトロニクス産業を変革するものである。同社は、microLEDアプリケーション向けに世界初の商用赤色LEDエピウエファを発表した。
MicroLEDディスプレイ技術は、最適輝度、効率、画像品位、寿命の改善など、標準ディスプレイパネルに著しい改善をもたらす。これらの利点は、ARやHMDなど接眼アプリケーションには極めて重要である。予測される市場は、今後5年で数100億ドル規模と見られている。また、大型ディスプレイやTVsからモバイルフォーン、スマートウォッチなどウエアラブルまで、他の広範囲のアプリケーションがある。しかし、これまで、高効率、超ファインピッチ赤色ピクセルの要求達成は難しいことがわかっていた。
従来の赤色LEDsは、大部分はAlInGaP材料ベース。つまり、デバイスサイズが減少にともない、大幅な効率低下がある。大きなキャリア拡散長と高い表面再結合速度のためである。
Porotech独自の製造工程により、可能なことを見直し、新しい種類の多孔質GaN半導体材料の作製が可能になった。その結果、同社はmicroLEDアプリケーション向けに商業化できるネイティブ赤色InGaNエピウエファを製品化する初の企業となった。
「GaNベースの材料技術を使うmicroLEDディスプレイは普及している。ARの要件を満たすティスプレイ輝度と効率を提供する唯一の技術だからである。ARグラスで、いずれスマートフォンが置換えられる、あるいは少なくともわれわれのポケットのデバイスとの相互作用は減らせる。性能を改善する先進的な材料の開発が極めて重要である」とPorotechのCEO/共同創始者、Dr. Tongtong Zhuは話している。
「AlInGaP赤とインジウムInGaNグリーンおよび青色LEDディスプレイをマイクロスケールピクセルのモジュールに統合することは極めて難しい。AlInGaPデバイスの高い表面再結合速度のためにこの材料を効率的なmicroLEDsに不適合にするからである。当社のブレイクスルーは、InGaN LEDsの発光範囲を拡大して、赤色ディスプレイの性能要件に合わせ、同時にmicroLED半導体ディスプレイ技術で必要とされるウエファサイズを拡大する能力を提供している」と同氏は説明している。
GaNは、効率的なパワートランジスタやレーザから量子デバイス、センサ、太陽電池まで、エレクトロニクスやオプトエレクトロニクスに影響を与える材料と見られている。また、多孔質アーキテクチャは、その能力をこれらすべての領域に広げることができる。Porotechの製品は、既存の産業標準とプロセスに適合する。独自技術はロバストであるが、様々なアプリケーションのニーズに柔軟に調整可能である。Porotechのネイティブ赤色InGaN microLEDsは、10 A/cm2で波長は640nm、従来のAlInGaPや色変換赤色に対して、非常に小さなピクセルとピッチで性能が改善されている。
(詳細は、https://www.porotech.co.uk)