September, 10, 2020, Heidenhofstr--タンデムフォトボルテイックスが注目を集めており、そこでは高性能太陽電池材料が様々な組合せで集められている。目的は,光を電気に変換する際に、太陽スペクトルを一段と効率的に利用することである。フラウンホーファーISEは、シリコン上に直接成長させたIII-V/Siタンデム太陽電池で25.9%の効率新記録を報告している。この電池は、初めてローコストシリコン基板上に作製された。タンデムフォトボルテイックの経済的なソリューションへの重要な到達目標である。
フラウンホーファー太陽エネルギーシステム研究所ISEは、長年マルチジャンクション太陽電池に取り組んできた。ここでは、相互にスタックされた2または3のサブセルが太陽スペクトルの異なる部分を吸収し、それを電気に変換する。Siは、そのスペクトルの赤外部分の最適なアブソーバである。複数のIII-V化合物半導体のマイクロメートル層をシリコン上に成長させる。このサブセルは、スペクトルの紫外、可視および近赤外部分からの光を効率的に電気に変換する。ゲルマニウムベースのIII-V半導体太陽電池は、宇宙や集光型フォトボルテイックで使われることが多い。ボトムサブセルとしてSiの利用と組み合わせた、より優れたコスト効果のよいプロセスの開発により、タンデム技術は、将来、ほとんど全てのフォトボルテイックアプリケーションで広範に利用できるようになる。しかし、この目的が達成されるまでにはさらなる研究が必要である。
シリコン上に直接成長させたIII-V/Siタンデム太陽電池で25.9%
III-VとSi太陽電池の組合せには複数の異なるアプローチがある。フラウンホーファーISEは、タンデム太陽電池で34.1(新規34.5)%効率世界記録を保持している。ここではIII-V半導体層はGaAsからシリコン基板へ移転されてウエファボンディングで接続されている。この技術は非常に効率的であるが、高価でもある。このため、フラウンホーファーISEは,もっと直接的な製造プロセスに長年取り組んできた。つまり,III-V層をシリコン太陽電池に直接堆積、成長させるプロセスである。このプロセスでは、全ての層が高い結晶品質を維持していることが極めて重要である、またこれは大きな課題となっている。今回、25.9%の効率世界新記録は、Siに直接成長させたIII-V/Siタンデム太陽電池で達成された。
フラウンホーファーISEの研究者、Markus Feifelは、「太陽電池の複雑な内部構造は外からは見えない、個別のアブソーバの全てが、付加的結晶層で内的に相互接続され、電気的に直列接続になっている」と同氏は説明している。同氏によると、一年以内に、24.3から25.9%に改善できた。「これは、マルチジャンクションセル内の薄いシングル層を置き換えることで達成された。電池の注意深い解析は、この層が結晶構造を動く電子の障壁を作っていたことを示している」。
新しいタンデム太陽電池で特に際立つ点は、III-V層が以前の場合のように化学-機械的研磨基板にではなく、Siウエファに直接成長させたことである。安価な研磨とエッチングプロセスだけを使った簡素なプロセスでソーイング(鋸挽き)が行われた。デンマーク企業、TopilがEuropean SiTaSolプロジェクトで、このSiウエファを開発し、新しいマルチジャンクション太陽電池の経済的な製造への重要な一歩を実現した。今後、さらに効率を高めること、もっと高いスループットで層の堆積を速めること、製造のコスト効果を改善することが焦点になっている。究極目標は、タンデムフォトボルテイックが、フォトボルテイック拡大に重要な貢献ができることである。これは、エネルギー遷移にとって必要である。
(詳細は、https://www.ise.fraunhofer.de)