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有機データ転送を高速化する新技術

July, 29, 2020, Newcastle--ニューキャスル大学の専門家を含む国際研究チームは、新しいタイプのOLEDsを使い、データレート2.2Mbpsが可能な可視光光通信(VLC)を開発した。

このスピードを達成するために研究チームは、新しい遠赤/近/赤外、溶液処理OLEDsを作製した。スペクトル範囲を700~1000 nmに広げることで、溶液ベースのOLEDsで帯域を拡張し、リアルタイムで過去最速記録を達成した。

Nature Lihgt発表によると、その新しいOLEDsは、ウエアラブルおよびインプラント可能バイオセンサ技術とともに新しいIoT接続にチャンスを生み出す。

新たな機会を開く、ニューキャスル大学インテリジェントセンシングと通信グループ通信講師、Dr Paul Haighは、その研究チームの一翼を担う。同氏は、可能な限り高速な信号のリアルタイム伝送の開発を主導した。インハウスで開発した情報変調フォーマットを使い、約2.2Mbpsを達成した。

「われわれのチームは、高効率長波重金属フリーのポリマLEDsを開発した。これは有機オプトエレクトロニクス界で長年の研究課題であった。そのような高速データレート達成は、ポータブル、ウエアラブルあるいはインプラント可能な有機バイオセンサの可視光/近可視光通信リンクへの組込機会を開く」と同氏はコメントしている。

高速データ伝送速度需要は、VLCシステムにおける発光デバイスの普及を促進する。LEDsは、アプリケーションが多く、照明システム、モバイル電話、TVディスプレイに使用されている。OLEDsは、無機LEDsやレーザダイオードと同じスピードは出せないが、製造が安価であり、リサイクル、持続可能である。

チームが画期的なデバイスで達成したデータレートは、IoTアプリケーションを視野に入れた屋内P2Pリンクサポートに十分である。研究チームは、コンピュータで複雑化することなく、また電力を食うイコライザなしでそのようなデータレートを達成できることを強調している。OLEDsの活性層に毒性重金属が存在しないため、新しいVLCセットアップは、ポータブル、ウエアラブルあるいはインプラント可能な有機バイオセンサの集積に有望である。

将来的には、アプリケーションの範囲は広く、ディスプレイ技術における個別通信対応ピクセルから、アクティブな健康モニタリング皮下バイオセンシング、高速ケアリンクまである。

(詳細は、https://www.ncl.ac.uk)