July, 1, 2020, 仙台--光で活性化する物質を細胞に発現させ、光によって細胞の機能を制御する技術(オプトジェネティクス、光遺伝学)は、脳の刺激方法を革新し、脳の仕組みの解明に大きく貢献している。オプトジェネティクスは、ネズミなどにおける研究で盛んに用いられる一方、ヒトに近い霊長類(ニホンザルなどマカクサル)における研究においては、眼の動きに関する研究以外では、ことごとく失敗していた。
自然科学研究機構生理学研究所の南部篤教授、東北大学大学院の虫明元教授らの研究チームは、遺伝子を導入する技術や光照射方法などを工夫することにより、オプトジェネティクスでサルの手を動かすことに世界で初めて成功した。今回の成果は、非ヒト霊長類へのオプトジェネティクスの活用を促進させ、将来的には光による脳深部刺激療法などヒトの病気治療への応用させることも期待される。
研究成果は、Nature Communications 誌で公開された。
(詳細は、http://www.tohoku.ac.jp)