October, 24, 2019, Washington--白色LEDは、低エネルギー光源やディスプレイ用途が増えているが、時々、その光を強すぎて不快と感ずるコンシューマーが存在する。眼に心地よい白色LED照明の設計で加齢による知覚差を考慮に入れる必要性を新しい研究成果が指摘している。
「われわれの研究で、光源が放出する短波長の光量が、見る人の年齢により、白色光の知覚が非常に異なることが明らかになった」とSoraa Incの研究チームリーダー、Aurelien Davidは説明している。「LED光源は、青や紫の大きな放射ピークを特徴とすることが多いため、この効果を悪化させる」。
研究成果は、Optics Expressに発表された。それによると、従来の色彩測定はすべてのユーザーが同じ視覚反応を持つことを前提としているが、ごく最近に開発された色知覚モデルは、加励効果を考慮に入れ、色知覚差を予測し、その緩和に役立てるために使用できる。
「現在、光の色は、正確に色知覚を予測しない数十年前の科学に基づいた基準で定義されている。このことは、ユーザー間の差を最小化し、LED技術の利用増を支援する、より優れた光源の設計の障害になっている」とDavidは指摘している。
白色知覚のテスト
研究のために、複数の、さまざまな発光スペクトルのほぼ白色LED光源を被験者に見せ、基準白色光と比較して感じた色合いのランク付けを聞いた。テスト光源は、より睡眠に適した光源を開発する研究者の取り組みの一環であった。それらは特殊発光スペクトルを特徴としており、睡眠に影響を与えると考えられる短波青色光を光の白色光を維持する、より短い波長の紫に置き換えている。
「標準色彩測定法によると、すべてのユーザーは、あるLED光源に同じ近くを持つはずである。しかし、観察者の間に大きな差があることが分かった。あるものは、所定の光源がピンクが強いと言い、別のものは同じ光源が緑が強く見えると考える」とDavidは説明している。
これらの研究結果の分析から、知覚差は年齢に強く左右されることが分かった。最新の色彩科学を利用して研究チームは、観察したユーザー間の差を正確に説明する知覚モデルを取り出すことができた。
「これら異常なLED光源の知覚された色合いは、紫領域における観察者の敏感さに強く影響されており、これは強い年齢依存がある。他のものは白色LED知覚に同じ変動を観察したが、これら特殊なLEDがそれを悪化させるため、その効果は特にわかりやすかった」とDavidは話している。
研究チームは、年齢依存知覚効果は、照明やディスプレイアプリケーションの両方に使用されている従来のLEDに存在することを示した。このことの意味は、同じ白色と考えられる2つの従来型LED光源は、所定の観察者には非常に違って見える可能性があるということである。
新しい色基準の定義
「新しい色彩科学を利用することで、将来のLED光源の設計は、観察者間の差を最小化するように調整可能である。メーカーは、この新しいフレームワークを利用して、年齢に影響される差に対してよりロバストな照明を設計することができる」とDavidは言う。
研究チームによると、年齢依存比色分析量の基準計算はメーカーや関係者が年齢依存効果を将来のLEDエミッタ設計に組み込む際に役立つ。
「そのような年齢関連効果は、LED技術の進歩を妨げないことは確実である。まだ一般に利用されていないとはいえ、すでに利用できるようになっている科学的ツールで対処可能だからである」(David)。