June, 11, 2019, Frankfurt--人工臓器の製造はホットな研究トピックである。近い将来、人工臓器は、臓器提供欠如を補完し、動物実験を置き換える。生きた細胞を含む「バイオインク」を使う3Dプリンターで、すでに有望な実験があるが、機能臓器は、この方法ではまだ創られていない。
Dr Elena Martinez (IBEC、バルセロナ、スペイン)が調整役を務め、関与するヨーロッパコンソーシアムとゲーテ大学フランクフルト(Goethe University Frankfurt)は新分野を開拓している。コンソーシアムは、ライトシート照射、生きた細胞と混合された特殊感光性ハイドロゲルに依存するリソグラフィ法を開発している。
レイヤーごとに構造を構築するバイオプリンティングシステムは、甚だしい欠点がある。一方において、プリンティングプロセスは時間がかかりすぎる。したがってバイオインクや重合化層の細胞の生存機会は、大幅に低下する。さらに、押出圧力は、大きな細胞致死率になる、特に幹細胞の場合である。加えて、その方法の分解能は、300µm程度で、これは自然組織の繊細な構造再生にはあまりに低すぎる。最後に、複雑な管腔構造、例えば血管を細胞組織に組み込むことが特に難しい。
ゲーテ大学分子ライフサイエンス・ブッフマン研究所(BMLS)のDr. Francesco Pampaloniは、「プロジェクトでは、トップダウンリソグラフィ法を開発することで、われわれは反対方向へ行きたい」と言う。そのプロセスは、半導体技術のリソグラフィと同じ方法で動作する。半導体と、マスクで照射される感光性膜の代わりに、感光性分子を持つハイドロゲルを使う。Ernst Stelzer教授がライトシート顕微鏡用に発明した技術を使い、薄いレーザライトシートに、露光される。これは、枝分かれした鎖構造になり、生きた細胞によるコロニー形成のためのマトリクスとして機能する。残りの液体ハイドロゲルは洗い流される。
「この方法により、われわれは空間構造とと硬さを前例のない分解能で調整でき、自然の組織に見られる細胞と同じ異種微小構造を作ることができる」とPampaloniは説明している。同氏によると、その全く新しい可能性が、複雑な組織やその解剖学的微小構造のバイオファブリケーションとして出てくる。さらに、マトリクスの特別な特異性を使って幹細胞を輪郭のはっきりした区画に導入でき、血管形成が可能になる。従来の3Dプリンティングシステムに対して、さらなる利点は、高速でコスト優位性がある製造である。
(詳細は、https://aktuelles.uni-frankfurt.de)