May, 22, 2019, Liverpool--サーマルイメージングカメラを装備したドローンを使って、ボルネオの森林でオランウータンの数をモニタする研究が行われている。
オランウータンは、全ての類人猿と同様、木々の中にねぐらを形成する。従来オランウータンの数は,地上からそのねぐらをカウントすることで推定されている。しかし、この方法は、調査範囲が大きいため、コストも時間もかかる。
ドローンは、広いエリアを迅速にカバーし、絶滅危惧の野生動物を空からモニタすることができる。新しい研究は、サーマルイメージングカメラを装備すると利点はさらに多くなることを示している。これにより、1日のいつでも、つまり夜でも、見つけるのが難しい動物を熱シグネチャによって、検出できる。フィールドチームは,2つのサイトで6日にわたり、28飛行を行い、空から41頭のオランウータンを見分けることに成功した、その全ては地上観察者によって確認された。
ドローン技術と、通常天文学者が使っているサーマルイメージングカメラを組み合わせることで、研究者は、動物の熱シグネチャを見分け,分類することができた。周囲環境からオランウータンを区別するために、研究チームは、現地時間9am前、あるいは7pm以降にフライトを実施した。
Liverpool John Moores Universityのアストロエコロジストは、この成果を‘Unifying Tropical Ecology’会議で発表する。
「われわれは、マレーシア、サバ州深い熱帯雨林のオランウータンでその技術をテストした。熱画像では、動物は星や銀河と同じように輝く。したがってわれわれは天文学の技術を使い、動物を検出、区別した。これが有効かどうか全く確信はなかったが、霧でも夜でも、その体温のために、熱赤外カメラでわれわれはオランウータンをはっきりと見ることができた」。
さらに付け加えてDr Burkeは、「最大の困難は、地上の温度がわれわれが検出しようとしている動物の体温と非常に近くなったときである。したがって、朝あるいは夕方のフライトからの画像は、より信頼できる。種を区別するために絶対表面温度は使用できない、動物の体温は、その環境温度で変化するからである」と話している。
この画期的な技術は、オランウータンや他の絶滅危惧類人猿の頭数理解とモニタに使える可能性がある。
研究チームは、フィールドトライアル中にテングザル群も見分けることができた。テングザルは、オランウータンよりも小型であるため区別できた。それだけでなく、テングザルは一般にグループで見つかるが、一方オランウータンは一頭もしくはペアで行動する傾向がある。夜間にオイル椰子プランテーションで食料探しをしているピグミーエレファントも捉えた。
天文エコロジストたちは現在、固有のサーマルフィンガープリントに基づいて、動物種を区別するためのマシンラーニングアルゴリズムを開発している。
(詳細は、https://www.ljmu.ac.uk/)