October, 29, 2018, Buffalo--指紋と同様に、全く同じ3Dプリンターは存在しない。
ニューヨーク州立大学バッファロー校(State University of New York at Buffalo)を中心とした研究チームは、3Dプリントされたモノをそれを造った機械まで追跡する、初の正確な方法と考えられる研究を発表した。
研究チームは、それをPrinTrackerと言う。その成果は、究極的には、警察や情報機関が3Dプリントされた拳銃、偽造品、その他のモノの起源を辿るのに役立つ。
その方法を理解するには、3Dプリンターの動作方法を知ることが役立つ。普通のインクジェットプリンターと同様、3Dプリンターは、モノを「プリンティング」する間に、前後に動く。インクの代わりに、ノズルは、プラスチックなどのフィラメントを層で放出して、最終的に3D物質を形成する。
3Dプリントされたモノの各層は、微小な皺、通常サブミリメートの完全パターンを含んでいる。これらのパターンは、同一であると考えられている。しかし、プリンターのモデルタイプ、フィラメント、ノズルサイズやその他の要素が、そのパターンのわずかな不完全性の原因となる。結果は、そのデザイン案に一致しないモノとなる。
例えば、プリンターは、完全パターンで1/2ミリメートルのモノを作製するように発注される。しかし、実際のモノは、デザイン案から5~10%のバラツキのあるパターンになる。人の指紋と同様、これらのパターンは固有であり、繰り返し可能である。結果的に、それらは、その3Dプリンターまでたどれる。
「3Dプリンターは、同じに造られている。しかし、製造工程で、造られるハードウエアにわずかなバラツキが出る。それは、プリントするすべてのモノで、固有の、避けられない、不変のパターンとなる」とXuは説明している。
PrinTrackerをテストするために、研究チームは、5本のドアキーをそれぞれ14の普通の3Dプリンターを使って作製した。10台はFDMプリンター、4台はSLAプリンター。
14の3Dプリンターのフィンガープリントデータベース作成し、研究チームは、ドアキーを、その段階で99.8%一致させることができた。10ヶ月後、チームは別のシリーズの実験を行い、プリンターの追加利用が、モノを元の機械に一致させるPrinTrackerの能力に影響を与えるかどうか判断した。結果は同じだった。
チームは、フィンガープリントを覆い隠すために様々な方法で損傷を与えたキーに関する実験も行った。PrinTrackerは、これらのテストで92%の正確さだった。
Xuは、この技術を紙の文書の情報源を特定する能力にたとえることができると指摘している。これは、情報機関、プリンター会社や他の組織が数10年行っているが方法である。実験では偽造品や銃は扱わなかったが、PrinTrackerは、3Dプリントされたものがどんなものでもそのプリンターまで辿ることができるとXuは話している。