October, 4, 2018, 山形--山形大学 学術研究院の千葉貴之助教、城戸淳二教授らは、ペロブスカイト量子ドットの新たな製法を開発し、ペロブスカイト量子ドットLEDで世界最高水準の外部量子効率20%を超える発光効率を実現した。
山形大学では次世代型発光デバイスの開発に向け、ペロブスカイト量子ドットに電荷を注入して発光させる、「ペロブスカイト量子ドットLED」の研究を進めている。今回開発した製法は、ハロゲンアニオン交換という方法で、結晶構造が安定なCsPbBr3というペロブスカイト材料の一部を液中で置換することにより、発光波長や発光効率が異なる、CsPb(Br/I)3を合成する方法。この製法により、発光色を緑色から深赤色へ大きくシフトさせると同時に、この材料を用いた赤色ペロブスカイト量子ドットLEDで、21.3%と非常に高い外部量子効率を得ることに成功した。
また、色度座標では(0.72、0.28)という非常に色純度の高い赤色発光を得た。これは高い色再現を目指した、超高精細度テレビジョン(UHD TV)の国際規格(BT.2020)の範囲をカバーするものである。
研究成果は、Nature Photonics掲載された。
発表の要点
・赤色LED用としては初めて、「ハロゲンアニオン交換法」による材料製法を開発し、ペロブスカイト量子ドットLEDで初めて20%を超える高い外部量子効率と非常に高い色純度を実現した。
・高い色再現性が求められるディスプレイや照明など、次世代型発光デバイスへの応用が期待される。
(詳細は、www.jst.go.jp)