November, 10, 2017, London--IHS Markit分析によると、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイと液晶ディスプレイ(LCD)パネル間の製造コストギャツプの大幅な縮小は、OLED TVの拡大を支援すると考えられる。
「OLEDディスプレイコストモデル」分析によると、55インチOLED超高精細(UHD)TVパネルのトータル製造コストは、2017年第2四半期に582ドル/ユニットで、これは2015年第1四半期に最初に発売された時から55%の下落となる。コストは、2021年第1四半期までには、さらに242ドルまで下がるとIHS Markitは見ている。
55インチOLED UHD TVパネルの製造コストは、同等仕様のLCD TVパネルと比較して、2.5倍まで縮小、2015年第1四半期では4.3倍だった。
「歴史的に、新技術は、優勢技術と新技術とのコストギャツプが狭くなるときに立ち上がる。OLEDとLCDパネルの製造コストギャツプの縮小は、OLED TV拡大に貢献する」とIHS Markitディスプレイ材料首席アナリスト、Jimmy Kimは指摘している。
とは言え、コストギャップを決めるのは材料だけではない。実際、55インチUHD OLED TVパネルのコストはLCD TVパネルの2.5倍だったが、材料コストのギャツプは1.7倍だった、直接材料以外の要素、製造歩留まり、利用率、減価償却費、基板サイズなどが実際には問題となる。
総製造原価の差は、歩留まりがLCDパネルと同レベルになると、現在の2.5倍~1.8倍に減少する見込みである。「しかし、OLEDの減価償却費のために、歩留まり向上だけからのコスト減には限界がある。減価償却が完了したとき、現状から31%のコスト減が期待できる」とKim氏は話している。