July, 6, 2017, Minneapolis--ミネソタ大学医用生体工学の研究チームは、心臓発作の後の傷ついた心臓組織の治療に役立つ画期的な3Dバイオプリントパッチを作製した。この開発は、心臓発作後、組織損傷を持つ患者の処置に向けた大きな前進である。
米国心臓協会によると心臓病は米国でNo.1の死因であり、年間36万人が死亡している。心臓発作では、患者の心筋への血流が途絶え、そのために細胞が死ぬ。人体はそのような心筋細胞を置き換えることができないので、損傷のその領域には傷が形成され、そのために心臓機能不全や将来の心不全の危険にさらされる。
ミネソタ大学など(University of Minnesota-Twin Cities, University of Wisconsin-Madison, and University of Alabama-Birmingham)の研究チームは、レーザベースのバイオプリンティング技術を使って成人の心臓細胞からとった幹細胞をラボのディシュで成長し、同期鼓動を始めた基盤に組み込んだ。
細胞パッチが誘導心臓発作直後のマウスに取り付けられ、わずか4週間後に機能的能力が大きく向上したのを研究チームは確認した。パッチは、心臓本来の細胞および構造タンパク質からできているので、それは心臓の一部になって身体に吸収され、さらなる手術は必要ない。
医用生体工学准教授、Brenda Ogleは「われわれはこれを拡張して、もっと大きな動物、次の数年以内には恐らく人間の心臓の修復もできると感じている」とコメントしている。
同氏によると、この研究は、パッチが心臓組織本来の構造タンパク質をデジタル3Dスキャンして作られていると言う点で以前の研究とは違っている。そのデジタルモデルは、心臓本来のタンパク質を使って3Dプリンティングによって物理的構造が作られ、さらに幹細胞から採られた心臓細胞タイプに結合される。
研究チームはすでに、もっと大きなパッチを開発する次の段階をスタートさせている。これは、人の心臓と同じサイズの豚の心臓でテストすることになる。