March, 15, 2017, Washington--スペイン、ビーゴ大学(Universidade de Vigo)の研究チームは、水に流出した石油を検出し、表面に存在する石油の種類を特定できる簡単なデバイスを開発した。デバイスは、水に浮くように設計されており、汚染の疑いがある狭い領域を遠隔モニタし、特定の領域で汚染の進行を追跡することができる。
原油や精製油は紫外(UV)光を吸収すると、独特の蛍光スペクトルを発生する。新しいデバイスは、蛍光スペクトルをフィンガープリントとして使用して、計測した蛍光とデータベースの情報とを比較することで石油の種類を特定する。
ほとんどの測定器は高価で壊れやすい分光計を使って蛍光を検出するが、研究チームは異なる色のセロファン膜フィルタを持つ4つのフォトディテクタを用い、安価でシンプルなセットアップを採用した。これにより、各々が蛍光スペクトルの異なる領域を構成する4つの信号を記録することができる。デバイスは安価なUV LEDsを光源として使用し、ドローンで使用されているようなローコストのマイクロコントローラを採用した。また、データを送り、設定コマンドを受信するために市販の無線モジュールもデバイスに搭載されている。
デバイスのテスト結果について、研究リーダー、Jose R. Salgueiro氏は、「研究で用いた全ての石油タイプで、4つの信号は特定フィンガープリントの構成に十分であることが証明された」とコメントしている。
研究チームは、太陽光を電源とするプロトタイプを作製して例えばブイに設置し、数カ月湖や沖合に置くことを計画している。プロトタイプは、ブイも含めて高さと直径が約30㎝であり、計測データを無線モジュールで遠隔ユーザーに伝送することができる。
(詳細は、www.uvigo.gal)