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三菱、微細レーザ加工機「ABLASER」を欧米・アジア市場に拡販

July, 13, 2016, 東京--三菱重工グループの三菱重工工作機械(Mitsubishi Heavy Industries Machine Tool Co. Ltd.)は、レーザ加工機事業の製品第一弾として開発した微細レーザ加工機「ABLASER」の初号機を、国内大手精密機器メーカーに納入した。
 これを弾みとして同社は、独自の精密光学ヘッドの採用などで実現した高速・高精度な精密加工性能を、レーザ加工技術で先行する欧米市場で広くアピールするとともに、半導体製造プロセスにおけるABLASERを活用した新たな微細加工ソリューションをアジア市場で提案し、拡販につなげていく。
 ABLASERの初号機を導入した精密機器メーカーでは、主に高硬度材料や脆性材料の精密加工に活用。切削加工で困難な脆性材料の微細高精度加工が可能となり、エッチングでは必須の前後処理工程が不要になるなどランニングコストの低減効果も合わせて、今後の新製品開発への貢献が期待されている。
 ABLASERは、微細で高品質な加工面が得られるパルス幅の短い短パルスレーザ光を、精密なレンズやプリズムなどを組み合わせ、精密工作機械のノウハウを用い自由に屈折させたり回転させたりする独自の精密光学ヘッドにより、普及の課題となっていた形状精度を高めることに成功した。高いピーク出力で加工部分をアブレーション(Ablation:蒸発、昇華)させることで、加工面への熱影響を抑えることができ、穴あけ加工においては放電加工や従来のレーザ加工を上回る寸法精度と表面の滑らかさを確保。円錐状穴や鼓状穴といった難しい加工も可能。
 今回、ABLASERが実際の製造現場に導入され、加工の品質の高さとその安定性を実証していることを強みとして同社は、国内での営業活動に加え、欧州および北米市場を中心に、さまざまな加工現場に対する提案型の営業を強化していく。
 さらに、三菱重工工作機械の独自製品である、大口径のシリコンウェーハを効率的に積層できる全自動常温ウェーハ接合装置、炭化ケイ素などの難削ウェーハ材も容易に加工できる小型精密加工機「μV1(マイクロヴイワン)」などとABLASERを組み合わせた新しい半導体製造プロセスを関連業界に提案し、半導体の生産基地となっている中国や韓国、台湾への販売を強化していく。
(詳細は、www.mhi-machinetool.com)