April, 12, 2016, Taipei--トレンドフォース(TrendForce)の一部門、LEDinsideの最新レポートによると、世界のLED市場規模は、2015年に143億2000万ドル、前年比3%減だった。
市場は、昨年初めて金額で年間の落ち込みを経験した。これは、主としてLEDメーカー間の価格競争によるものである。一部の主流LEDパッケージの平均販売価格(ASP)は前年比で40%減、それ以上の減となっている。米ドル上昇も、多くのメーカーにとって売り上げ減という結果をもたらした。
LEDinside調査ディレクター、Roger Chu氏は、2015年の市場価値のマイナス成長要因として3点を挙げて説明している。
1.技術進歩によるLED利用数の減少:フリップチップLED技術の、例えばTVへの導入は、LEDバックライトユニットでLED量数のさらなる減少の原因となっている。
2.OLEDが代替技術として登場: OLED技術の成熟により、製品差別化のためにOLEDパネル採用を考える有名スマートフォンベンダーの数が増加している。OLEDパネルは自発光式であり、LEDバックライトユニットを必要としないので、結果的にモバイルバックライトデザインが簡素化される。
3.供給過剰: LED市場における現在の価格戦争は、業界が供給過剰と過剰生産力を経験した結果である。LED照明製品の利用数量は引き続き拡大していくが、価格低下が市場価値全体の成長を律速する。
Chu氏によると、全体的には、LED需要は2016年に継続して増加する。一般照明、自動車照明、LEDディスプレイなど、ほとんどのアプリケーションは、LED利用数量が増加する。LEDバックライトは例外、OLED技術の登場が、この用途でのLED利用数量を減らすからだ。
進行中の需給不均衡は、LEDメーカーがまだ今年も価格低下圧力を受けていることを意味する。とは言え、市場はすでに昨年、過剰なレベルの競争を経験しており、多くのLED製品販売は赤字を出している。したがって、さらなる価格低下には限界がある。
様々なアプリケーションで需要が低迷しているため、LED業界は、10年を超える高成長の終焉に直面している。
LED業界は、スタート以来高成長を謳歌してきた。これは、様々なアプリケーションの登場が全般的な需要を維持してきたからである。例えば、LEDバックライトは、キーボード、モバイル電話のスクリーンからLED TV、さらにはスマートフォンやタブレットのタッチディスプレイまで、様々なデバイスの照射に使われる。同様にして、LED照明は、普及が大きく進んだ。LEDinsideのデータによると、世界のLED市場規模は、平均して、過去10年超で、CAGR 20~30%成長だった。2015年に初めて前年比マイナス成長を経験したが、これは主に主要アプリケーション市場の減速によるものであった。