December, 24, 2015, 東京--昭和電工は、電子材料の製造工程で使用される高純度アンモニアの供給能力を拡大し、台湾にある製造子会社の設備を年産能力2,500トンから3,500トンに引き上げた。
同社は日本・台湾・中国に高純度アンモニアの製造拠点を持っており、今回の増強により、3拠点合計での生産能力は7,000トンになった。
高純度アンモニアは、化合物半導体(LED)や液晶パネルなどの製造工程において窒化膜形成用ガスとして使用される特殊ガス。昭和電工は台湾において2005年から高純度アンモニアを製造・販売しているが、同地域におけるLED・液晶パネル市場の伸びに加え、同社の効率的な生産体制と高い精製・分析・品質管理技術が評価され、順調に販売を拡大してきた。高純度アンモニアは今後、ASEAN地域においても需要の拡大が見込まれる。昭和電工は「グローバルSCMの実現により、これらの事業機会を確実に捉えていく」と説明している。
電子材料は東アジアを中心に市場が成長してきたが、今後も半導体の微細化・多層化や液晶の高精細化などの進展により、ガスの使用量は増加傾向が予想される。昭和電工は、2016年1月から始動する中期経営計画“Project 2020+”において、電子材料用高純度ガス事業を成長加速事業に位置付け、拡大する世界の電子部品市場に迅速に対応し、同事業の強化・拡大を図る。
昭和電工の高純度アンモニア製造拠点と2015年12月22日現在の年産能力
(1)日本:昭和電工株式会社川崎事業所(川崎市) 1,500トン
(2)台湾:台湾昭和化学品製造股份有限公司(台南市) 3,500トン
(3)中国:浙江衢州巨化昭和電子化学材料有限公司(浙江省衢州市) 2,000トン