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赤色蛍光タンパク質型グルコースセンサーの開発

July, 7, 2021, 東京--東京大学大学院総合文化研究科の坪井貴司教授と三田真理恵日本学術振興会特別研究員らは、東京工業大学科学技術創成研究院の北口哲也准教授、株式会社マイオリッジの石田賢太郎博士らと共同で、細胞内のグルコース(ブドウ糖)を可視化できる、赤色のグルコースセンサーRed Glifon(Red Glucose indicating fluorescent protein)の開発に成功した。この研究成果は、2021年6月30日にCell Chemical Biology(オンライン版)に掲載された。

今回開発されたRed Glifonは、赤色蛍光タンパク質を基盤として構築され、グルコース濃度に応答して蛍光輝度が変化する、蛍光タンパク質型分子センサ。Red Glifonを細胞に発現させ、蛍光顕微鏡で観察すると、細胞内のグルコース動態を蛍光輝度の変化を通して可視化することができた。また、グルコース、ATP、乳酸、ピルビン酸の緑色蛍光センサと併用することで、細胞内でグルコースとその代謝産物との階層的な動態変化を同時可視化することに成功した。

Red Glifonを用いた可視化解析は、人工甘味料が腸管の内分泌細胞内の糖代謝に影響を与えてホルモン分泌異常を引き起こす可能性があることや、ヒト心筋細胞の拍動変化と糖代謝変化に関連があることを明らかにした。Red Glifonは、細胞内のグルコース動態を高い時空間分解能で検出することができ、バイオイメージングのための有効なツールとなる可能性がある。細胞内のグルコース動態を理解することは、個体レベルでの病態を解析する上でも重要であり、糖尿病や心筋症などの疾患研究・薬剤探索への貢献が期待される。
(詳細は、https://www.titech.ac.jp)