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日立、レーザ溶接の省電力技術を開発

October 21, 2008, 東京--日立製作所(日立)は、大阪大学接合科学研究所(阪大)片山聖二教授らと共同で、火力・原子力などのエネルギー機器向け厚板部材の接合に適したレーザ溶接において、溶接により溶融する深さ(以下、溶込み深さ)を、従来比約40%増大させる省電力技術を開発した。
これにより、従来と同じ溶込み深さを得る場合、レーザ出力を最大で 50%低減することができ、接合の消費電力を低減させることができる。
レーザ溶接は、レーザ光線のエネルギーを利用する溶接で、エネルギー密度が高く、高速で深い溶け込みが得られることから、高い品質と生産性を兼ね備えた接合技術として注目されている。
日立と阪大は、レーザ溶接時に、溶融部を保護するシールドガスを高速で噴射する「ガスジェット方式レーザ溶接技術」を開発し、溶込み深さを従来比で約40%増大させた。従来と同じ溶込み深さを得る場合、レーザ出力を最大で50%低減できることから、消費電力を低減させることができる。また、このガスジェットを用いて、溶接時に発生する金属蒸気(プルーム)を大幅に抑制する「プルーム抑制技術」を開発し、安定した溶接を可能にした。同技術により、高い接合品質が求められるエネルギー関連機器や産業用機器などの接合において、消費電力を低減した生産性の高い厚板接合ができる。
近年、溶接の世界では、出力10kW級の大出力のファイバーレーザやディスクレーザなどのレーザ発振器の普及にともない、レーザ溶接が様々な分野で利用されはじめている。しかし、10kW級の大出力レーザとシールドガス供給ノズルを組み合わせた従来の方式では、溶込み深さの増大や環境負荷を低減することは困難。特に、低速で溶接する場合では、プルームの影響により溶接が不安定になることから、レーザ出力に見合う溶込み深さを得ることが困難だった。このような背景から、日立と阪大は、シールドガスのガス圧が溶接の安定性と溶込み形状に大きな影響を及ぼすことを見出し、レーザ光線の照射と同時にシールドガスを高速で噴射する「ガスジェット方式レーザ溶接技術」を開発。これにより、レーザの出力を増大させることなく、溶込み深さを約40%増大させることが可能となった。従来と同じ溶込み深さを得る場合、レーザ出力を最大で50%低減でき、接合時の消費電力を低減する。また、ガスの噴射を適切に制御し、溶接時に発生するプルームや溶融金属の吹き上がりを抑制する「プルーム抑制技術」により、安定した溶接が可能。
日立は、「今後、接合速度の高速化などの実用化に向けた技術開発を推進し、火力・原子力などのエネルギー関連機器、産業用機器の厚板溶接など、様々な製品分野への利用拡大を図る」としている。

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