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近傍位相雑音性能を大幅に向上、狭帯域無線装置・デバイスの開発・製造向けスペクトラムアナライザ

アンリツ株式会社(社長 橋本 裕一)は、シグナルアナライザ/スペクトラムアナライザのラインアップを拡充。新たに、シグナルアナライザ MS2840Aを2016年3月30日から販売開始した。今回開発したMS2840Aは、9 kHz~44.5 GHzの測定周波数範囲を持ち、内蔵発振器のSSB位相雑音性能[※1]を大幅に向上させている。これにより、これまで大型で高価格の位相雑音専用測定器でしか実現できなかった狭帯域通信装置の近傍スプリアス性能評価を、MS2840Aで充分な余裕を持って実施できるようになる。さらに、高性能導波管ミキサ[※2]を用いることでミリ波帯のスペクトラム測定が可能。マイクロ波・ミリ波帯の無線装置や79 GHz帯車載レーダー、各種発振デバイス等、SSB位相雑音の性能が求められる開発・製造用途に使用できる。また、送信機の瞬時信号[※3]解析に有効なシグナルアナライザ機能を内蔵し、追加オプションで送信機の変調信号[※4]を詳細に解析・評価できる各種測定ソフトウェアや雑音指数(NF)[※5]測定機能を内蔵できる。これらの機能は、無線装置から瞬間的に発生する不要なスプリアスやノイズなどの不具合解析や、デジタル変調やアナログ変調を用いた無線装置に必要な性能評価に使用でき、無線装置の開発や製造の効率を飛躍的に向上させることができる。

[用語解説]
※1 SSB位相雑音性能:SSBはSingle Side Band(搬送波単側波帯)の略。信号発生の原理上、必ず含まれる余分な周波数成分。
※2 導波管ミキサ:50 GHz~90 GHzのスペクトラム測定を可能にし、MS2840Aに接続して用いる応用製品。(形名:MA2806A、MA2808A)
※3 瞬時信号:短時間だけ発生したり変動したりする意図しない信号。
※4 変調信号:正弦搬送波に、情報が含まれる信号を掛け合わせたもの。
※5 雑音指数:入出力信号に含まれる雑音量の比。

詳細はアンリツ社のウェブサイトを参照。(2016/3/30)