新製品 詳細

リニアテクノロジー社、新製品「LTC7813」を発売開始

 自動車用システムの電圧レギュレーションを維持する60V、低暗電流のデュアル出力、昇圧 + 降圧同期整流式DC/DCコントローラ。
 リニアテクノロジー株式会社は、デュアル出力(昇圧+降圧)の低暗電流同期整流式DC/DCコントローラ「LTC7813」の販売を開始した。LTC7813は32ピン5mm x 5mm QFNパッケージで供給され1,000個時の参考単価は4.82ドルからで、リニアテクノロジー国内販売代理店各社経由で販売される。
 このデバイスをカスケード接続すると、独立した昇圧コントローラと降圧コントローラが出力電圧より高い、低い、あるいは等しい入力電圧から出力電圧を安定化し、自動車のロード・ダンプ時やコールドクランク時にも対応できる。従来のシングル・インダクタの昇降圧レギュレータとは異なり、LTC7813のカスケード接続された昇圧+降圧ソリューションは、連続した、大幅に変動しない入出力電流で高速トランジェント応答を実現し、リップル電圧とEMIを大幅に低減するため、自動車や産業用などの大電力バッテリ駆動システムに最適。
 LTC7813は起動時4.5V~60Vの入力電圧で動作し、起動後は入力電圧が最低2.2Vまで下がっても動作する。昇圧コンバータは最大60Vの出力電圧を生成可能、降圧コンバータは0.8V~60Vの出力電圧を生成可能で、システム全体で最大98%の効率を達成することができる。また、このデバイスは、同期昇圧MOSFETがオンしたままで、降圧コンバータが99%のデューティ・サイクルで動作するパススルー・モード(ワイヤ・モード)に設定して、入力電圧を最小限の電圧降下で出力に通過させることができる。

LTC7813はBurst Mode®
動作に設定可能なので、スリープ・モード時の暗電流は降圧チャネルがオンのとき29μA(両方のチャネルがオンのとき34μA)に低下し、バッテリ動作時間を延ばすのに役立つ。全てNチャネルの強力な1Ωゲート・ドライバを内蔵しているので、MOSFETのスイッチング損失を最小限に抑えて、チャネル当たり10Aを超える出力電流を供給できます。この出力電流は外付け部品によってのみ制限される。
さらに、各コンバータの出力電流は、インダクタ(DCR)両端の電圧降下をモニタするか、別の検出抵抗を使用して検出する。

 LTC7813は電流モード・アーキテクチャなので、50kHz~900kHzの固定周波数を選択するか、または75kHz~850kHzの外部クロックに同期することができる。この他に、調整可能なゲート・ドライブ電圧、ソフトスタートまたはトラッキング、フォールドバック電流制限、出力過電圧保護、実行制御、パワーグッド出力信号などの特長を備えている。

LTC7813の特長:
・同期整流式昇圧 + 降圧コントローラ
・広いバイアス入力電圧範囲: 4.5V~60V
・2.2V までの入力電圧低下(コールドクランク)時にも出力をレギュレーション状態に維持
・昇圧出力電圧: 最大60V
・降圧出力電圧範囲: 0.8V~60V
・パススルー・モード(ワイヤ・モード)
・カスケード接続時に、出力電圧より高い、低い、あるいは等しい入力電圧を許容
・低い入力および出力リップル
・低EMI
・高速出力トランジェント応答
・軽負荷での高い効率
・低い動作暗電流: 34μA (両方のチャネルがオン)
・低い動作暗電流: 29μA (降圧チャネルがオン)
・RSENSE または損失のないDCRによる電流検出
・フェーズロック可能な周波数: 75kHz~850kHz

詳細はリニアテクノロジー社のウェブサイトを参照。(2016/3/30)