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ライトレールが大学の研究室の高額機器に電磁妨害を与える可能性

ミネソタ大学内を走るライトレールトランジット(LRT) による電磁放射と振動が大学の化学・医療研究を妨害している可能性があるとMinnesota Daily が報じた。ミネアポリス・セントポール都市圏のメトロ交通局(Metro Transit) および同都市圏のMetropolitan Council は、1年以上にわたり、地下鉄GreenLine ライトレールからの電磁妨害を減らそうと努力した。2010年、ミネソタ大学は電車から発生する電磁妨害の量に限度値を設けようと試みたが、Minnesota Daily によるとGreen Line は毎年、限度値を超過していたという。「ライトレールの妨害は近くの研究室に影響を及ぼさなかったが、時間とともにエミッションが増えて、研究室の機器に影響を及ぼすことになった。現在の研究者は、いかなる顕著な影響も見ていない。良好に機能し、機能低下が続かないシステムを引き続き保有することを確認中である」と、大学の業務部長Leslie Krueger 氏は話す。
 大学の多くの部門は高価な研究機器をMayo Memorial ビルへ移した。ここは振動からの被害を受ける可能性が少ないからである。「特に大学で最も高額な機器を保管するKolthoff Hallと717 Delaware ビルにある核磁気共鳴研究装置は、機能低下に最も敏感だ」と、Krueger 氏は言う。メトロ交通局は、問題の原因をすでに発見したと指摘している。妨害の原因は鉄道線路に設置された電気ボックスにあるというのだ。「レール・アクセス・ボックスは、水と破片でいっぱいになり、電気集積を作り出す電気的アンバランスを引き起こす。集積は次に電磁妨害を促すと、メトロ交通局のライトレール操業管理者おBrian Funk 氏は言った。「最適な解決法は、空気で膨らむ風船をボックス内に入れ、水や破片がボックスに溜まるのを防ぐというものだ。ボックスの点検が必要な時はいつでも、風船の空気を抜くことができる」とFunk 氏は付け加えた。
 Minnesota Daily によると、理事会は6月初め、問題解決のためにメトロ交通局とMetropolitan Council にあと1年の猶予を与え、2015年9月1日までに詳細な実行計画を策定するよう決定した。また、メトロ交通局は年間2回の妨害レベル試験を年間4回に増やすよう求められる。その間、Green Line ライトレールの運行は継続するという。
 詳細はMinnesota Dailyのウェブへ。(2015/08/10)