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Amtrak の新しい事故防止システムが無線妨害により誤動作する危険性

2015年5月、ペンシルベニア州フィラデルフィアで乗客死者8名、負傷者100名以上、損害額920万ドル(約11億5千万円)を超える重大な脱線事故を起こしたAmtrak は、同様の高速脱線事故防止のため衝突防止システムに取り組んでいる。だが、この事故防止システムは貨物線の近くで誤動作する可能性がある。FCC (米連邦通信委員会) によると、このシステムは貨物輸送鉄道上の機器からの信号によりブロックされる可能性のある電波に依存しているため、貨物線からの電波妨害により誤動作する恐れがあるとのこと。
 「コネチカット州ニューヘイブン~マサチューセッツ州ボストン間で営業している貨物輸送鉄道は、独自の電車安全システムにAmtrak と同じ周波数の電波を使う計画である」とFCC 無線通信局の副主任Charles Mathias 氏は語る。「どちらか片方あるいは両社のシステムに通信機能の低下または停止が起こり、誤動作または機能停止のどちらか、またはその両方が同時に起こる可能性がある。つまりこれは致命的な事態であると理解し、FCC は両鉄道会社と問題解決に向けて動いている」とMathias氏は先週の連邦議会の公聴会で話した。Amrrak にはこの妨害を防ぐオプションがあり、年末までには同社所有のカーブの多い人気路線、ワシントン~ボストン間の線路に設置完了する予定である。
 「2008年以降、旅客鉄道サービスでは制御プログラムに1億1070万ドル(約276 億8 千万円) をつぎ込んでいる」と、スポークスマンのChristina Leeds 氏は言った。Amtrak は引き続き、この課題に対応する予定で、5月の脱線事故についての調査もまだ進行中である。
 詳細はBloombergBusinessのウェブへ。(2015/06/18/)