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IEC 61000-4-20:2022

 「電磁両立性(EMC)-第4-20部:試験及び測定技術-TEM 導波管のエミッション及びイミュニティ試験」が2022年2月28日に発行された。これは第3版となる。
 IEC 61000-4-20:2022は、さまざまなタイプのTEM導波管を使用した電気・電子機器の放射およびイミュニティの試験方法に焦点を当てている。TEM導波管にはオープン構造(ストリップラインや電磁パルスシミュレーターなど)とクローズド構造(TEM セルなど)などが含まれる。この構造はさらに、1ポート、2ポートまたはマルチポートのTEM 導波管に分類される。周波数範囲は、特定の試験要求事項および特定のTEM導波管タイプに依存する。
 この規格には、以下のことが記述されている。

・一般的な周波数範囲と供試機器(EUT)の寸法制限など、TEM導波管の特性
・電磁両立性(EMC)試験のためのTEM導波管の検証方法
・EUT(つまりEUT キャビネットとケーブル)の定義
・TEM導波管で放射エミッション測定をする際のセットアップ、試験手順、試験要求事項
・TEM導波管で放射イミュニティ試験をする場合のセットアップ、試験手順、試験要求事項

注記:この規格では、機器に対する電磁放射の影響や、当該機器からの電磁放射を測定するための試験方法を定義している。電磁放射のシミュレーションや測定は、すべての最終用途の設備に対する影響を定量的に判断するには十分に正確ではない。定義された試験方法は、効果の定性分析のために、さまざまな試験施設で結果の適切な再現性を確立することを主目的として構成されている。

 この規格は、特定の装置またはシステムに適用される試験を指定することを意図していない。この規格の主な目的は、IECの該当する製品委員会全てに、一般的な基本的な参照資料を提供することである。放射エミッション測定については、製品委員会がCISPR規格と調整してエミッション限度値と測定方法を選択する。放射イミュニティ試験の場合は、範囲内の機器に適用するイミュニティ試験およびイミュニティ試験限度値の適切な選択に対して、製品委員会が依然として責任を負う。この規格は、IEC 61000‑4‑3の試験方法とは別に、試験方法を記載している。
 第3版は、2010年に発行された第2版を廃止して置き換える。
 この版には技術的な改訂があり、前の版に関して以下の重要な技術的変更を含む。

a. 大型EUT(ケーブルを含む)の試験に関する情報を提供
b. CISPRおよびTC77(エミッションおよびイミュニティ)で完了した作業を適応させることにより、測定の不確かさに関する作業を適用
c. フィールド均一性とTEMモード検証に関する試験ボリュームの検証手順を更新
d. 2ポート、4ポートのTEM導波管に関する情報を提供
e. トランジェントTEM 導波管の特性を情報扱いとする新しいAnnex Iを追加
f. EUTの誘電体試験スタンドに関する情報を追加

詳細はIECのウェブへ。(2022/02/28)
https://webstore.iec.ch/publication/34378