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IEEE:2020年 年次報告書発行

 IEEEの2020年「年次報告書(Annual Report)」が発行されている。全体の内容については、下記の目次を参照していただきたい。
 報告書の内容を、いくつか抜粋して、お届けする。

1.番号項目ページ
【1】皆で力を合わせる(P1)
【2】IEEE PresidentとExecutive Directorからのメッセージ(P3)
【3】数字で見るIEEE (P5)
【4】障害を乗り越えて革新する(page7)
【5】会員およびボランティアをサポート(page13)
【6】生涯学習への取り組み(P19)
【7】人類のための技術進歩(P23)
【8】オープンアクセスを拡張し、多様な公開の選択肢を提供(P29)
【9】関係性の向上(P33)
【10】注目すべき成果(マイルストーン) (P37)
【11】IEEEのBoard of DirectorsとManagement Council (P41)
【12】財務担当からのメッセージと独立公認会計士の報告書(P43)
【13】連結財務諸表(P45)

2.IEEE President とExecutive Director からのメッセージ2020年のIEEE President & CEOの福田敏男氏(左) と、IEEE Executive Director & COOのStephen P. Welby氏(右)からのメッセージは、全体としてIEEEの活動を振り返った内容。IEEEは2020年の新型コロナウイルス感染症(COVID‑19) に対応して、技術や会員各位の協力により各種分野で従来以上に活動ができたこと、活動分野は多岐にわたり、生物医学分野の支援と研究、データ分析とモデリングの提供、重要な通信や電力のインフラストラクチャの維持と協調、人工知能や機械学習、ロボット工学、サイバーセキュリティ、金融、健康IT、ロジスティクス、農業などがあったことに触れている。

3.数字で見るIEEE
2020年のIEEE会員総数は396,007人で、会員数上位5ヵ国は、1位がアメリカ160,298人、2位がインド45,353人、3位の中国は30,106人、
4位がカナダで15,106人、5位の日本は13,798人であった。Societyに所属している総人数は333,214人、うち53%が2つ以上のSocietyに入っ
ている。Society別では、IEEE Electromagnetic Compatibility Societyが3,548人、加入者が最多のSociety はIEEE Computer Societyで49,978人、最少はIEEE Professional Communication Societyの591人。

10.注目すべき成果(マイルストーン)
毎年、電気工学およびコンピューティングプログラムのIEEEマイルストーンは、最低でも20年が経過した技術に贈られる。2020年は、以下の4つが受賞となった。

1)1921 ~ 1923年:圧電水晶発振器/米国コネチカット州ミドルタウン圧電水晶発振器は、超音波、ソナー、レーダー、数多くの高度な電子機器用途など、日常生活に使われる水晶腕時計で使用される。
2)1971年:ALOHAパケット無線データネットワークの実証/米国ハワイ州ホノルルALOHAnetは、イーサネットおよびパーソナルワイヤレス通信技術の通信チャネルを実証した最初のネットワークである。
3)1980年:最初の市販デジタル信号プロセッサ/日本、川崎市NECが、通信と放送用でプログラム可能な市販デジタル信号プロセッサを開発し、デジタル信号処理の採用を加速させた。
4)1982年:大規模指紋識別システムの初運用/日本、東京都NECが世界初の大規模な自動指紋識別を導入。指紋照合機能を搭載したシステム(NEC AFIS)により、世界の警察機関が容疑者の捜索迅速化を実現できた。

13.連結財務諸表
全体的な財務状況は2020年12月31日現在、総資産が9億1790万ドル(約1,037億円)負債総額2億5260万ドル(約285億円)で、財務健全性は維持されている。
 報告書のダウンロードはIEEEのWebへ(2021/10/26)。
https://www.ieee.org/about/annual-report.html