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CISPR 14-1: 2020 第7版発行~家庭用電気機器等のエミッション

 2020年9月7日、国際規格CISPR 14-1 の第7 版が発行された。表題は「電磁両立性(EMC)-家庭用電気機器,電動工具及び類似装置に対する要求事項-第1 部:エミッション」で、概要は以下のとおりである。
 CISPR 14-1: 2020はACまたはDC(バッテリーを含む)のどちらから電力を供給されているかに関わらず、以下で定義する家庭用電気機器、電動工具及び類似装置からの周波数範囲9 kHz 〜400 GHzでの無線周波数妨害のエミッションに適用される要求事項を規定している。
 この規格は、次の機器に適用できる。

・家庭用電気機器または同様の機器
・電動工具
・類似した装置

 この規格の適用範囲には、モータやスイッチングデバイス(例えば、電源リレーや保護リレー)など上記の機器に関する個別部品も含まれているが、この規格に記載されていない限り、そのような個別部品に対しエミッション要求は適用されない。無線送信/受信機能を組み込んだ製品は、この規格の適用範囲に含まれる。誘導式電力伝送(IPT:Inductive Power Transfer)技術を使用する適用範囲の機器も、同様に適用範囲に含まれている。この規格の適用外となるのは、次の場合である。

・無線周波数範囲の全てのエミッション要求が他のCISPR規格で明確に記載されている機器
・車両、船舶、航空機でのみの使用を目的とした機器
・産業環境でのみ使用される機器
・機器の安全性に関連する電磁現象の影響

 多機能(Multifunction)機器は、この規格および他の規格の条項に適合させる必要があるかもしれない。多機能機器の詳細は規格の6.5項に記載されている。この規格のエミッション制限は、ITUによって定義されているような無線送信機からのスプリアス放射など意図的な送信に適用されることを意図していない。この第7版は、2016年に発行された第6版をキャンセルして置き換える。この版は、技術的な改訂で構成されている。この版は、前の版について次の重要な変更を含む。

・ 放射測定の周波数範囲が1 GHzを超えて拡張
・ 一般的な試験条件の改訂と、新しい特定の試験条件(例:ロボット機器用)を追加
・ IPT技術を利用する機器の追加条件を導入
・ 規格本文の統計評価に基づく適合性評価要求を削除
・ クリック分析の内容を改訂。特に観察時間の決定と、さまざまなタイプのクリック分析の上位四分位数法の適用に関連したものである

機器の例については、規格の序文(Foreword)を参照していただきたい。
詳細はIECのウェブへ。(2020/09/07)
https://webstore.iec.ch/publication/60734

[※ 編者注]
このニュースは本誌2020年8月号(No.82)の規格ニュース「CISPR 14-1 第7版のFDIS可決」の続報である。