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2020年の通信技術トレンド(1/2)

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 IEEEの通信ソサエティの技術ニュース編集委員会より2020年の技術トレンドが9つ紹介されているので、要約を掲載する。通信業界の未来について少しでもおわかりいただければ幸いである。

1.6Gのテラヘルツ・スペクトラムで議論が沸騰
 2019年、最先端の周波数範囲100GHz ~ 1THzにおける超広帯域の使用見込みについて、ビットレートの向上だけでなく、画像と高分解能の位置決めに関する将来のさまざまな可能性を取り混ぜて検討した。このトピックは2019年から継続している課題で、2020年も引き続き大きな課題の1つになると考えられ、リストの最上位に位置している。だが、これはプロセスであり、時間がかかると認識している(リサーチも必要!)。実際、このプロセスの最初のステップは、ミリ波(mmWave)帯の5Gの配備であり、進行中の検証は特に野外において、この周波数で信号がどのように伝搬するかについて、かつてないほど大量のデータを提供してくれている。多くの場合、見通し範囲外でも、反射のおかげで通信範囲は予想外に広いことが判明した。これは5Gだけでなく、その先のさらなる見通しに関しても喜ばしいニュースである。1年後にどうなっているのか、注視していきたい。

2.AIは連合学習(Federated Learning)で不便な場所にも到達する
 昨年、AIの勢いは弱まるだろうと予測したが、外れてしまった。2019年はいろいろと最先端コンピューティングの年であり、同年のホットな話題である機械学習も、この影響の例外ではなかった。機械学習がどのように潜在的な待ち時間を減らすか、またトレーニングに使うクラウドにデータを戻すバンド幅をどのように減らすか、を理解するために役立つことが多くあった。何を学んでいるかさえわからないよう暗号化されたデータがクラウドに移動する場合のみ、連合学習が可能であると提唱する人々もいる!
 2019年はネットワークの最先端でトレーニングを受ける年だったので、2020年は連合学習が携帯電話(ハンドセット)にしっかり進出することが期待できる。

3.メタ材料、メタ表面、メタ共振器、その他メタの付くもの全て
 無線通信の進歩に関する議論のどちらかというと中心的な位置に、ひそやかに、だが明白に移ってきたテーマは、メタ(Meta)材料である。大まかに言ってメタ材料は、電磁波(または他のタイプの波)の流れをコントロールし、影響を与えることを可能にする人工的に構成した材料である。メタ材料は通常、電磁波の波長より小さい規模で、繰り返しパターンで調整され、そのパターンから正確に特性が生じる。
 アンテナ構造に直接信号処理機能の一部を取り入れることができる大規模なMIMOや、普通のアンテナより小型かつ広帯域にできるメタ共振器に基づいたアンテナなど、メタ材料を元にしたアンテナ設計の取り組みは進行中である。さらに興味をそそるのは、インテリジェントな反射面の開発である。これは有利な場所に配置でき、動的に調整可能なレベルで信号を反射できる。極限まで考えると、マルチパス伝搬が自然界の反射ではなく制御可能な現象という現状を離れて考えることになる。このようなメタ表面が革新的な開発なのか、単に古きよき既存技術の再具現化なのかを判断するのはまだ早い。答は時間と研究のみが教えてくれる。

4.携帯電話はなくなり、IoTは歓迎される!
 これは2019年の我々の予想だったが、再度掲載する。もちろん、携帯電話が厳密な意味でなくなることはないだろうが、Financial Times紙が2019年10月に「Apple社のウェアラブル機器およびサービスはiPhone sagsとして収益を促進している」という見出しの記事を出したので、完全になくならないまでも陰りを見せている。確かに2019年は折り畳み可能な表示パネル(それも非常に素晴らしいのだが)というより、IoTの年であった。そして第4次産業革命、V2X、事業の領域で特にIoTが2020年のホットな話題だと予想する。2019年には、3GPP標準化プロセスが、このような新しく見込まれる大規模な用途での利用例を至るところで明示化しようとしていた。このような例では、IoTは電話の奴隷なのではなく、今や単独でURLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communication)を推進する非常にユニークな要求をいくつか持つエコシステムの奴隷である。これによりメルセデス、ボッシュ、Foxconnなど巨大メーカーでの製品開発が始まるので、もっと多くのことがわかるだろう。
(後半1/2は、後日公開)