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コムジェネレータとケーブルの共振を測定する

 ケーブルは、アンテナや結合エネルギーとして機能することがあり放射エミッションの発生や試験不適合を引き起こす可能性がある、製品の重要な金属構造物の1つである。この件はEMI適合に対する製品設計において、文字通り熱心に議論されてきた。多くの事例でケーブルが半波長の周波数で共振する可能性があり、その共振(あるいは高次の共振)に近いケーブルシールドに沿って実際に高調波電流は全て増幅される。EUTのエミッションプロフィールで幅の広い共鳴ピークを頻繁に目にするだろう。製品やシステムのケーブルおよびワイヤの共振周波数を特性評価する簡単で迅速な方法の1つは、高調波エネルギーをケーブルに注入し、実際の共振を測定することである。高調波コムジェネレータを使用し、制御された方法でこれを実施することができる。今回のケースでは、複数のクロック周波数で数多くの高調波を生成できるPicotest社の試験所向けモデルの新製品J2150Aを使う。J2150Aにはユーザーが変更できる5つの異なるモードがある(図1参照)。

1. ステップ波( モード2から4)
2. 1 kHz インパルス
3. 100 kHz インパルス
4. 1 MHz インパルス
5. 10 kHz 方形波

 10 kHzの方形波を選んで使ったが、これにより非常に高い解像度が得られ、つまり密集した高調波が数多く生成できる。J2150Aの出力はDC結合なので、Crystek社のDCブロックCBLK-300-3を使って、(基本的にDC で短絡する)磁界プローブを接続する際にジェネレータ出力を保護する。コムジェネレータはUSB起動で給電されるので、Siglent社のスペクトラム・アナライザSSA 3032Xにプラグ接続するだけでよい。Beehive Electronics社の磁界プローブ100C1台をDCブロックを経由してコムジェネレータに接続し、もう1台をスペアナ入力に接続した。試験セットアップについては図2と図3を参照のこと。スペクトラム・アナライザは予想されるケーブル共振の周波数帯にセットする必要があり、この例では10 ~ 500 MHzにしている。入力アッテネータを0 dBに設定し、プリアンプを作動させ、縦軸をdBuVとして、水平ラインの1本が「ゼロ」になるよう基準レベルを設定し、分解能帯域幅は120 kHzで周波数目盛りを記録する。次に試験対象のワイヤを発泡スチロールのブロック上に並べ、プローブの先がワイヤに触れるよう2台の磁界プローブをテープで固定する。2台のプローブ間は、1台からの高調波放射がもう1台に直接結合しないように離しておく。厳格に距離を取ることは重要ではない。高調波成分が共振する場合、1次ピークを少なくとも1つ見ることができるだろう。図4を参照してほしい。試験対象のワイヤは長さ62 cmである。これは、フリースペースのワイヤの半波長で、ほぼ200 MHzの共振に等しい。

[参考文献]
1. André and Wyatt, EMI Troubleshooting Cookbook for ProductDesigners, Appendix F (“Measuring Resonant Structures”).
2. Picotest: http://www.picotest.com
3. Siglent Technologies: http://www.siglent.com
4. Beehive Electronics: http://www.beehive-electronics.com
図1(左上).Picotest 社の高調波コムジェネレータJ2150AにCrystek 社製のDC ブロックCBLK-300-3 を接続している。これにより1 GHz を超える密集した高調波を生成できる。
図2(左下).ケーブルまたはワイヤの共振を測定するための試験セットアップ。実際の使用では、両方のプローブを手に持ち、製品またはシステムのケーブル共振を素早く特性評価する。
図3(右上).試験セットアップの写真
図4(右下).ワイヤで得られた共振ピークのスクリーンキャプチャ

2016年10月28日 by Kenneth Wyatt