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ロシアが防空ミサイルの不可視化を模索

 ロシアの新聞Izvestia紙は、電子機器の操作時に発生する電磁波パルスのエミッションを抑えるコンテナを使って、自国の高性能な防空ミサイルを米国の偵察衛星や偵察機から隠そうとしていると報じた。Izvestia紙によると、防衛省筋からの匿名情報として、S-400 Triumfミサイル(NATO表記:SA-21 Growler)および新しく開発されたS-500 Prometheyミサイルは、 電磁放射(EMI)をブロックするよう設計された特別なコンテナを装備し、ミサイル、発射装置、レーダーユニット、指揮車両、武器システムに必須の車両などはコンテナ内に配備されるという。コンテナは発射装置のシャーシに取り付けるか、トラックや列車で輸送する。一部のコンテナは既に大量生産されているが、試験中のタイプもあると記事は報じている。背景にある技術的な詳細については、記事は明らかにしていない。コンテナには特別なコーティングが施され、EMIの漏れを防ぐ精巧な機器が使われているという。もしこれが奏功すれば、地球上空の地球自転同期軌道から無線諜報(signalsintelligence:SIGINT)を収集し米国政府に送るよう設計された超機密の偵察衛星Orion5基を、コンテナによって阻止することもありうる。しかし、米国のU-2型偵察機もまた、EMIを検知する非常に高感度な無線諜報機器を搭載していることで知られている。
 詳細はIzvestia紙のウェブへ。(2016/06/29)

写真提供:Scout