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ROHM、LiDAR向け1kWクラス高出力IRレーザダイオード開発

January, 17, 2025, 京都--ROHMは、LiDARを搭載した距離計測や空間認識のためのADAS(先進運転支援システム)向けに、高出力レーザダイオード(RLD8BQAB3)を開発した。
ROHMはまず、ドローン、ロボット掃除機、AGV(無人搬送車)、サービスロボットなどの民生用および産業用アプリケーション向けのサンプル供給を開始する。

近年、LiDARは、自動車のADAS、AGV、ドローン、ロボット掃除機など、自動化を必要とする様々なアプリケーションで採用が進んでおり、正確な距離測定や空間認識が容易になっている。より遠くの情報をより正確に検出するためには、光源となるレーザダイオードが高kWレベルの出力を実現し、複数の光源が近接して発光できるようにする必要がある。

ROHMは、2019年に25W出力RLD90QZW5、2023年に高出力120W RLD90QZW8の製品化を皮切りに、レーザの狭い発光幅を実現し、長距離・高精度LiDARを強化する独自の特許技術を確立した。これらの実績を基に、高出力・高性能なレーザダイオードの要求に応える125W 8ch(1kWクラス)アレイタイプの製品を新たに開発した。

RLD8BQAB3は、3D ToFシステムを利用して距離測定と空間認識を行うLiDARアプリケーション向けの超小型表面実装高出力125W×8ch赤外線レーザダイオード。最適化された設計は、エレメントごとに8つの発光領域(各300μm幅)を、高放熱基板に貼り付けられたサブマウントに設置することを特徴としている。

パッケージの発光面には、表面実装型レーザダイオードとしては業界初となる透明ガラスキャップを採用し、樹脂封止製品で起こりがちなダイシング時の傷による光散乱のリスクを排除し、高いビーム品質を確保している。各発光エリアには共通のカソードが配線されているため、発光点数を増やす個別発光から、業界トップの1kW級の超高出力同時発光まで、用途に応じた照射方法を選択することができる。

新製品は、ROHMの従来のレーザダイオードの特長である、発光幅全体での発光強度の均一化と、波長温度依存性が0.1nm/°C(標準品:0.26〜0.28nm/°C)と低いことなどを継承している。さらに、アレイ構成により、チャネル間の放射強度が低下した領域が狭くなり、バンドパスフィルタにより、太陽やその他のソースからの周囲光ノイズの影響が最小限に抑えられ、長距離検出と高解像度LiDARに貢献する。

(詳細は、https://www.rohm.com)