協働ロボット産業規模、2030年までに118億ドル

May, 7, 2024, Northbrook--マーケッツ&マーケッツ(MarketsandMarkets)のレポート「協働ロボット市場:可搬重量(最大5kg、5-10kg、10-25kg、25kg以上)、アプリケーション(ハンドリング、組み立て、分解、ディスペンシング)、産業(自動車、エレクトロニクス、金属、機械加工)、地域 – 2030年までの世界予測」によると、協働ロボット市場は、2024年の19億ドルから、2024年～2030年にCAGR 35.2%で成長し2030年までに118億ドルに達すると推定されている。
協働ロボット市場の成長は、従来の産業用ロボットシステムよりも高い投資収益率によって推進されている。eコマースおよび物流部門での需要の増加。あらゆる規模の企業で大きなメリット。協働ロボットの簡単なプログラミング

可搬重量別では、25kg以上が予測期間中に高CAGRで成長
可搬重量が25kgを超える協働ロボットは、重量物の持ち上げなど、人間にとって肉体的に厳しい用途の人間工学的な課題に対処するために開発された。これらの協働ロボットは、重量物の積み下ろし、大型部品の組み立て、かさばる荷物の輸送など、かなりの強度や持久力を必要とする作業で人間の作業者をサポートできる。可搬重量が25kgを超える協働ロボットには、高度な安全機能と技術が組み込まれており、人とロボットの安全な協働を保証している。これらの安全対策には、コボットの付近にいる人間の作業員の事故や負傷を防ぐための力検知、衝突検出、動的リスク評価が含まれる場合がある。たとえば、FANUC CR35iaは、衝突保護を強化するためにフォームの外装を特徴としている。2023年11月、デンマークの協働ロボットメーカー、Universal Robots A/Sは、可搬重量30kgの協働ロボット「UR30」を発売し、製品ラインを拡大した。UR30は、そのコンパクトなサイズにもかかわらず、優れたリフト、優れたモーションコントロール、およびマシンテンディング、マテリアルハンドリング、高トルクのスクリュー駆動などの用途に汎用性を提供している。東京で開催された見本市「iREX」で実演されたUR30は、そのマテリアルハンドリング能力をデモした。

協働ロボット市場の産業セグメントにおけるエレクトロニクスは、予測期間中に最高CAGR成長
協働ロボットは、ディスプレイ画面、コネクタ、サブアセンブリ、プリント基板(PCB)を管理するように構築、プログラムされている。ウエファなどの部品は小さくデリケートなため、慎重に管理する必要がある。ロボットは、他のマクロアプリケーションと比較してエラー許容範囲が非常に小さいため、コンポーネントの位置決め、配置、組み立てにおいて非常に正確でなければならない。多くのタスクには厳しい公差が必要だが、ロボットハードウェアとビジョンシステムの進歩により、メーカーは協働ロボットの利点を実感している。協働ロボットは、製造におけるハンダづけ、接着、およびディスペンス作業を実行する。コボットは、ソーラセルパネルへのウエファ装填などの簡単なピック&プレース作業や、バリ取りツールを使用したネジ締め、仕上げなどの精密な作業に使用可能である。協働ロボットは再プログラムが可能なため、急速に変化するコンシューマの要求や短い製品ライフサイクルに対応可能である。

加工セグメントは、予測期間中に最高CAGRで成長
協働ロボット(コボット)は、研削、フライス加工、切断などの様々な加工作業に有利であることが証明されている。研削加工では、協働ロボットはワークピースの確実な保持、一定の圧力の維持、粉塵の除去に優れている。フライス加工では、工具交換の自動化、材料投入の処理、ビジョンシステムによる品質管理の確保に貢献する。切断作業では、協働ロボットは正確な動きを提供し、マテリアルハンドリングを支援し、安全性をモニタする。全体として、コボットは効率、安全性、一貫性を向上させ、作業者が非常に複雑な作業に集中できるようにする。考慮すべき点としては、協働ロボットのペイロード容量、プログラミングの容易さ、人間とロボットの相互作用に関する安全トレーニングなどがある。協働ロボットを慎重に導入することで、加工タスクを最適化し、生産性と職場の安全性を高めることができる。

APAC地域は、予測期間中に最高CAGRで成長
APAC地域は、世界の協働ロボット(コボット)市場における重要市場の1つである。同地域の費用対効果の重視は、従来の産業用ロボットと比較してコボットの手頃な価格と一致しており、オートメーションソリューションのプレーヤにとって魅力的な選択肢となっている。エレクトロニクス、自動車、食品・飲料などの業界に対応する多様なアプリケーション環境は、協働ロボットの普及に貢献している。国際ロボット連盟(IFR)によると、アジア、特に製造業におけるロボット密度は、従業員1万人あたり168台と測定されている。この指標は、地域全体の製造プロセスにおけるロボットの普及率と利用率を示している。協働ロボットは、人間と組み合わせて作業するように設計されているため、自動化へのより柔軟でインタラクティブなアプローチが容易になる。特に、中小企業(SMEs)によるコボットの採用が進んでいることで、製造業への統合がさらに進んでいる。資金提供、税制上の優遇措置、スキル開発プログラムなどの政府の取り組みは、協働ロボットの開発と導入を積極的にサポートしている。現在、APAC地域がリードしているが、他の地域での成長可能性と雇用の喪失に関する懸念は、進化する協働ロボット市場のダイナミックな状況を浮き彫りにしている。