March, 10, 2022, Buffalo--家庭の血糖測定器からCOVID-19迅速テストまで、POCテストの普及が、医療ケアを促進し、改善している。
しかし、これらの製品の成長を後押しするセンシング技術の継続的アップグレードは、ますます困難になりつつある。
例えば、光学センシングチップは、探索しようとしている生物学的、化学的分子にほぼ近いナノ構造を含む。しかし、その微小サイズのために、分子を正しいセンサエリアに誘導することが難しくなっている。
サンディア国立研究所、集積ナノテクノロジーセンタ、電子工学准教授、Peter Q. Liuは—研究室のPhD候補Xianglong MiaoとTing Shan Lukとともに、この問題に照準を合わせた新しいセンサを開発した。
Advanced Materialsに発表された論文によると、そのセンサは、表面増強赤外吸収(SEIRA)分光法を利用する。
分光法は、光と物質の作用の仕方を調べる。赤外吸収分光法は、100年以上前から存在するが、研究者は今でも、その技術をより強力に、安価で多様にしようとしている。
その名が示すように、これらのセンサは、電磁スペクトルの中赤外域の光と作用する。これは、遠隔制御、暗視ゴーグル、他の製品で利用されてている。
新しいセンサは、複数の微小長方形金ストリップアレイで構成されている。エンジニアは、化学化合物(ODT)、1-オクタデカンチオールにストリップを浸した。ODTは、センサ効果の実証を確認するためにエンジニアが選択したものである。
研究チームは、一滴の液体金属、この場合はガリウムを加え、センサの基剤とした。最後に、サンドイッチ構造を形成するために薄いガラスカバーを上部に設置した。
層とキャビティを備えたセンサの設計が、研究者が言う“ナノパッチアンテナ(nanopatch antenna)”を作る。アンテナは、分子をキャビティに送り込み、十分な赤外光を吸収して生物学的、化学的サンプルを分析する。
「われわれのセンサの単層分子でも、反射光量で10%の変化を起こす。それに対して、一般的なセンサは、わずか1%の変化である」とLiuは指摘する。同氏によると、研究チームは、継続してそのセンサを改良する。目的は、それを生物分析センシングや医療診断アプリケーションに使うことである。例えば、ある病気に関連するバイオマーカーのセンシングである。
ODT計測後、研究者はセンサチップ表面から綿棒で液体ガリウムを除去した。このプロセスにより、センサは再利用できる。したがって、類似の代替品と比べて優れたコスト効果となる。
「われわれのセンサの構造は、ナースが患者に実行できるPOCアプリケーションに適している。院外、患者の家庭でも実行できる」とLiuは説明している。
(詳細は、http://www.buffalo.edu)