November, 29, 2021, Duesseldorf--EU助成コンソーシアムで微量の毒性要素を光で見分け,数分で結果を出す新しいディテクタが開発されている。
果物や野菜の農薬で、世界的に毎年11000人が死亡、意図せずに3億8500万人に害を与えている。これらの食品をモニタリングして微視的化学物質や有害バクテリアを見つけ出すには、微量を採取してテスト、分析のために研究室に送るのに数日かかる。しかし現在,新しいディテクタが開発されつつある。フォトニクスでこれらの有害物の微量を見分け、数分で結果を出すことができる。
この新しい超高感度ディテクタは、光粒子を利用して、微量の農薬、バクテリアを数分で見分ける、既存記述よりも50~100倍高速である。
現在EU助成コンソーシアムで開発されている新しいシステムによりワーカーは、現状よりも数十も多い果物や野菜をモニタリングすることで農薬、バクテリアを検査することができる。サンプルの準備から検出まで、その新システムは30分以下で結果を出すことができる。
チームは、レーザ光を使って化学物質、生物学的被検体を検出する極めて高感度のシステムを使う。プラズマフォトニックバイモーダル多重センサというそのシステムは、マーカーとして化学薬品、染料を使う必要がなく、バクテリア、農薬をラベルフリーで見分けることができる。
現在、長期の安全チェックで食品が急速に劣化することを考慮して、工場は検査をより少なくする。これは,極めて効率的な技術を備えた国々でも、消費者が毒やバクテリアのリスクにさらされる可能性が多くなることを意味する。
一般に,果物や野菜の安全チェックは、ランダムバッチで行われ、研究室に送られる。結果が得られるまで2、3日かかるプロセスである。時間とコストのためにこれらの検査は、スーパーマーケットやレストランなど価値連鎖の重要な部分では実施できない。毎年、3億8500万の人々が、農薬を含む果物、野菜を食べて意図せずに汚染される。悲惨なことに、これらの11000人が結果的に命を落とす。食物、水を介して消費されるこれら農薬残留物は、たくさんの致命的な長期症状の原因となり得る。出生異常、ガン、遺伝子異常、血液疾患、神経毒性など。
プロジェクトコーオーディネータ、Alessandro Giustiは「世界的に数千人が死亡しており、正確、高感度、安価に製造できる新しい迅速モニタリングデバイスの必要性は急務である」とコメントしている。
GRACEDプロジェクトは現在、CyRIC(Cyprus研究イノベーションセンタ)、Cyprusがコーディネートしており、全ヨーロッパからの専門家のコンソーシアムが含まれている。開発者は、微生物あるいは少数の農薬による化学的汚染を検出するために水を調べる既存センサの1つからインスピレーションを採用した。
「われわれは, いわゆるWATERSPY、以前のEUプロジェクトの’hard fork’拡張としてプロジェクトを展開した。ある意味で、その2つのプロジェクトは、特定のマトリクスで汚染を決定するバイオフォトニクスベースの技術に関連している。WATERSPYでは、飲用水、GRACEDでは何でもよい。植物に与えるための水、あるいは実際の果物や野菜そのものに与える水。しかしコア技術は、全く異なっている。
「全てがシングルチップで実行される。われわれは、30分以下で(サンプル準備時間を含む)7つの異なる分析物を同時検出するように取り組んでいる」
干渉計センシング
明白なバクテリア、あるい農薬検出を提示するために、そのシステムは、センサ表面への汚染物質の結合を見ることで機能する。有害成分が存在すると独自の信号を新たに生成する。
プラズマフォトニックバイモーダル多重センサにより、GRACEDチームは、分子レベルでの特定に使用できる最も高感度な検出技術を利用する。
センサ表面のレセプタは、特定のバクテリアあるいは化学物質に「調整されている」ので、センサに従い関心のある被検体だけが捉えられる。
センサ内を動く光が、センサ表面に完全露光エバネセント場を生成する。ここでは、サンプルが通過すると、レセプタが汚染物を認識する。
この認識イベントは、レーザ光のスピードを変え、したがって出力で干渉パタンを変える。
この変化は、一連の既存値に対して正確に計測され、決定できる。また、増幅なしでピコモル-アトモル(pM-aM)の範囲で汚染を即時診断する。
センサは、果物や野菜の価値連鎖の汚染を検出するための、固有のエンジニアリング設計、IoTコンセプト、先進的データ分析を利用する総体的、モジュラーソリューションの一部である。
垂直農業と都市農業
GRACEDチームは、そのアプリケーションが複数の次世代食糧製造代替に極めて有用であると見ている。「垂直農業、つまり都市農業は、全てが制御された部屋で実行され実験室のようである。水質の制御は、この種の農場の成功には非常に重要である。このプロセスが自動化されるとなおさらよい」。
「都市農場の中には、グレイウォータ、つまり灌漑にシンクの水を使うところがある。この場合、汚染のリスクが考えられる。したがって、われわれのソリューションは、将来の食品生産に極めて補完的である」(Giusti)。
2024年に結論を出し、GRACEDプロジェクトは、フランス、イタリア、ハンガリーで将来的なトライアルを行う。様々なタイプの製造システム(従来のオープンエアー農業、新しい都市農業、短期の農業生態学価値連鎖、半自動農業)をカバーする。3年波のプロジェクトは、Horizon 2020から€ 4,989,480の助成金を受けている。
(詳細は、https://www.photonics21.org/)