February, 3, 2021, Dresden--ドレスデン応用物理学・フォトニクス材料集積センタ(IAPP)の研究者は、トラップ状態が有機フォトディテクタの性能を支配し、最終的にその検出性能を制約することを発見した。この極めて有望な結果は、Nature Communicationsに発表された。
有機フォトディテクタ(OPDs)は、低コストイメージング、健康モニタリング、近赤外センシングのアプリケーションに大きな可能性がある。しかし、これらのアプリケーションを産業的に実現する前に、そのデバイスのパフォーマンスは、まだ改善する必要がある。
ドナーアクセプタシステムベースの有機フォトディテクタは、ナローバンド、フレキシブルで生体適合デバイスであり、ベストのものは、外部光起電力量子効率を100%に近づける。しかし、これらのデバイが生み出す高ノイズが、その比検出能を制限し、例えば微光計測では性能が著しく低下する。
Jonas Kublitski と、IAPPおよびドレスデン大学応用物理学研究所(IAP)の研究者は、オフ状態の高ノイズが、有機半導体のミッドギャップ付近に分布する不要なトラップ状態の結果であることを確認した。トラップ量を計測することで、研究チーは、トラップ状態の特性とOPDsのオフ状態の直接的相関を指摘している。
これらの結果に基づいて、Kublitskiは、この関連を示すモデルを説明することができた。
「いくつかのドナーアクセプタシステムをモデル化することで、トラップと電荷移動状態の相互作用が暗電流源であることを明らかにし、トラップがその生成プロセスを支配し、したがってOPD検出能の主要な制限要因であることを示している。
新たに発見された関係は、OPDs動作を明らかにしているだけだが、その分野におけるさらなる開発への指針を示している」とコメントしている。
(詳細は、https://tu-dresden.de)