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ライス大学、3Dカメラハイパースペクトルストライププロジェクタ開発

January, 18, 2021, Houston--ライス大学の研究者によると、コンパクトなHyperspectral Stripe Projector (HSP)は、自動運転車、マシンビジョン、作物モニタリング、表面の磨耗や腐食検出および他のアプリケーションで必要とされる空間的情報およびスペクトル情報を収集する新方法への第一歩である。

ライス大学Brown工学部電気・コンピュータ工学准教授、Kevin Kellyは、「この技術が農民に利用され、あるいはドローンに搭載されて、農場を見たり、植物の栄養素や水分含有量だけでなく、作物の高さを見ることを想像している。センサの特徴が、3Dだからである。おそらく、絵画を見たり、表面の色や構造を詳細に見ることができるが、近赤外ではキャンバス下も見ることができる」とコメントしている。

Kellyの研究室は、HSP、モノクロセンサアレイ、高度なプログラミングを統合したシステムの3D分光計を飛ばすことが可能になると考えている。狙いは、ユーザに物体の形状や成分のより完全な画像を提供することである。

「われわれは,画像からリアルタイムで、3つの空間と1つのスペクトル、4次元情報を得ようとしている。他の人々は、これを実現するために多数の変調器を使用する、したがって高輝度光源を必要とするが、われわれは、通常輝度の光源と、巧妙なオプティクスで、それができることを確認した」と同氏は説明している。
研究成果は、Optics Expressに発表された。
HSPは、すでにコンシューマの手にある(スマートフォンの顔IDシステム、ゲーミングシステムのボディトラッカー)ポータブル3Dイメージング技術から手がかりを得ており、捉えた全ピクセルから広いスペクトルデータを引き出す方法を追加している。この圧縮データは、スペクトル情報を持つ3Dマップに再構成される。ここには数100の色が含まれ、物体の形状だけでなく、その材料成分を明らかにするためにも利用できる。

「通常のRGBカメラは基本的にわずか3つのスペクトルチャネルしかない。しかし、ハイパースペクトルカメラには、多数のスペクトルチャネルがある。われわれは700nm付近の赤や400nm付近の青を捉えることができるが、数ナノメートルごと、それ以下の帯域が可能である。したがって、微細スペクトル分解能、シーンの十分な理解が得られる。

「HSPは、非常に簡素で効率的な方法で、奥行きとハイパースペクトル計測をエンコードでき、同様のシステムで一般に使われているような高価なハイパースペクトルカメラの代わりにモノクロカメラの利用が可能になる」とYibo Xuは説明している。同氏は、Kellyと共同研究し、論文の主筆。現在、Samsung Research America Inc.でマシンラーニングおよびコンピュータビジョン研究エンジニア。Kellyの研究室では、同氏は論文の一環として、ハードウエアと再構成ソフトウエアの両方を開発した。

HSPは、市販のデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を利用して、パタン化されたストライプを投影する。これは、表面上でカラーバーコードのように見える。回折格子を通して白色光投影を送り、重なっているパタンを色に分解する。各色はモノクロームカメラに反射される。これは、そのピクセルに数値グレーレベルを割り当てる。

各ピクセルは、マルチレベルが可能であり、それが反射する全ての色ストライプに対して一つが可能である。これらを、物体のその部分となる全般的なスペクトル値に再統合する。

「をわれわれはシングルDMDと単一グレーティングをHSPで利用する。光パスを折り畳んで同じ回折格子とレンズに戻す新しい光学設計が、それを実際にコンパクトにしているのである。シングルDMDにより、われわれは欲しい光を保持し、残りを捨てることができる」とXuは説明している。

これら微調整されたスペクトルは、可視光域を超えられる。多重微細バンドスペクトルとしてセンサに反射されたものを使って、材料の化学成分を特定することができる。

同時に、パタンの歪みは、3D点群に再構成される、本質的にターゲットの画像であるが、平面スナップショットで撮るよりも多くのデータがある。

Kellyは、自動車ヘッドライトへのHSP組込を考えている。これにより、物体と人とを見分けることができる。「緑の洋服と緑の植物を見紛うことはない、全てがそれ固有のスペクトルシグネチャを持っているからである」と同社は説明している。

 ラボの考えでは、最終的にライスの画期的なシングルピクセルカメラを統合して、デバイスサイズをさらに縮小し、圧縮ビデオキャプチャにも適用する。
(詳細は、https://news.rice.edu)