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2つのX線波長で同時レーザ発振に成功
December 6, 2013, 播磨-理化学研究所と高輝度光科学研究センターは、X線自由電子レーザ(XFEL)施設「SACLA」を用いて、硬X線領域で任意の2つの波長のレーザを同時に発振させる2色XFELの生成に初めて成功した。高精度時分割測定や、複数波長で回折像を同時測定することなどが可能になる。
これは、理研放射光科学総合研究センター(石川哲也センター長)XFEL研究開発部門 加速器研究開発グループ 先端ビームチームの原徹チームリーダーらの共同研究グループの成果。
XFELは、フェムト秒の短パルス、100ギガワット(GW)レベルの高ピークパワーのX線レーザで、波長可変性も備えている。XFELを試料に照射し、その回折光や透過光、放出される電子などの測定を通じて試料の構造や物性などを明らかにできるため、XFELは既に生物学や化学、物理学、材料学など幅広い分野で利用されている。SACLAでは、線型加速器で加速した電子ビームを長さ約120mの放射光発生装置(アンジュレータ)に通すことで、実験に最適な波長のX線レーザを発振させる。しかし、装置や実験手法を改良していくことで、より高度な実験を実現できるポテンシャルを秘めている。例えばXFELを利用した動的観察には、外部レーザの可視光パルスとXFELのX線パルスを試料に照射する手法を用いている。この手法では、一方の光パルス(ポンプ光)で現象を励起し、時間差を付けたもう一方のパルス(プローブ光)で反応過程を時分割測定する。しかし、外部レーザの波長が可視光や赤外線に限定されること、また2パルス間の時間差の精度が低いことなどが、実験上の大きな制約となっていた。
共同研究グループは、アンジュレータを2つに分けてXFELを発振させることにより、異なる2波長の光パルスの同時生成を可能にした。これは、硬X線領域では世界初の成果。今回実現した2色XFELでは、同じ電子ビームから2つのX線光パルスが放射されるため原理的に2パルス間の時間差に誤差はなく、ポンプ光とプローブ光の両方にX線波長のレーザを用いることが可能になる。これによって、従来見ることができなかった現象の時間変化を、非常に精度よく観測することが可能になる。またSACLAで実現した2色XFELは、可変ギャップアンジュレータを用いることで波長間隔を30%以上に広げられるため、小型X線レーザ発振装置の開発につながる原理検証や、これまで1波長で行われていたタンパク質の構造解析を複数の波長で同時に行うなど、新しい実験手法の開拓が期待できる。
これは、理研放射光科学総合研究センター(石川哲也センター長)XFEL研究開発部門 加速器研究開発グループ 先端ビームチームの原徹チームリーダーらの共同研究グループの成果。
XFELは、フェムト秒の短パルス、100ギガワット(GW)レベルの高ピークパワーのX線レーザで、波長可変性も備えている。XFELを試料に照射し、その回折光や透過光、放出される電子などの測定を通じて試料の構造や物性などを明らかにできるため、XFELは既に生物学や化学、物理学、材料学など幅広い分野で利用されている。SACLAでは、線型加速器で加速した電子ビームを長さ約120mの放射光発生装置(アンジュレータ)に通すことで、実験に最適な波長のX線レーザを発振させる。しかし、装置や実験手法を改良していくことで、より高度な実験を実現できるポテンシャルを秘めている。例えばXFELを利用した動的観察には、外部レーザの可視光パルスとXFELのX線パルスを試料に照射する手法を用いている。この手法では、一方の光パルス(ポンプ光)で現象を励起し、時間差を付けたもう一方のパルス(プローブ光)で反応過程を時分割測定する。しかし、外部レーザの波長が可視光や赤外線に限定されること、また2パルス間の時間差の精度が低いことなどが、実験上の大きな制約となっていた。
共同研究グループは、アンジュレータを2つに分けてXFELを発振させることにより、異なる2波長の光パルスの同時生成を可能にした。これは、硬X線領域では世界初の成果。今回実現した2色XFELでは、同じ電子ビームから2つのX線光パルスが放射されるため原理的に2パルス間の時間差に誤差はなく、ポンプ光とプローブ光の両方にX線波長のレーザを用いることが可能になる。これによって、従来見ることができなかった現象の時間変化を、非常に精度よく観測することが可能になる。またSACLAで実現した2色XFELは、可変ギャップアンジュレータを用いることで波長間隔を30%以上に広げられるため、小型X線レーザ発振装置の開発につながる原理検証や、これまで1波長で行われていたタンパク質の構造解析を複数の波長で同時に行うなど、新しい実験手法の開拓が期待できる。