Laser Focus World JAPAN　レーザーフォーカスワールドジャパン

November 13, 2013, Mannheim--腫瘍が完全に除去されれば、癌患者の回復確率は最高になる。しかし、ガン細胞の微小クラスタは、見つけ出して除去することが難しいことが多い。手術中に隠れた腫瘍を可視化することができるカメラが開発された。
腫瘍切除手術は、ベテランの医者でさえも極めて難しい。1つには、腫瘍境界が正常組織に溶け込んでいて区別するのが難しいことがある。さらに、癌や前悪性の分散領域は見分けるのが難しい。今日まで医者は、腫瘍を切除するときはもっぱら熟練した眼に頼っていた。今後は、新しい特殊カメラシステムが手術中に最小の、見逃しがちな悪性腫瘍でも可視化し、込み入った介入でも医師をサポートする。
そのカメラは、癌組織を染色した蛍光分子を表示する。手術に先だって蛍光分子を患者の血液循環に注入、蛍光分子は体を循環する間に選択的に腫瘍に付着する。該当箇所を特定の波長で照射すると、蛍光は発光し、悪性組織が注入した色素に応じて緑、青、赤、その他どんな色にでも輝く、一方正常組織は同じままに見える。こうして、医師は肉眼では識別できない腫瘍細胞のクラスタを視認できる。
フラウンホーファー製造エンジニアリング・自動化研究所(IPA)に属する、医療とバイオテクノロジー自動化に向けたフラウンホーファープロジェクトグループ(PAMB)の研究チームは、新しい医療補助器具、マルチスペクトラル蛍光カメラシステムを開発した。将来的に、この特殊カメラは医療用顕微鏡や内視鏡など、様々な医療イメージングシステムに組み込まれる。