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ウィーン工科大学、単一原子で光をスイッチング

November 8, 2013, Vienna--ウィーン工科大学の研究チームは、単一原子で光ファイバケーブル間切換ができる光スイッチを開発した。
研究チームは、光を操作するために可能な限り小さな光スイッチを実現しようとしている。ウィーン工科大学では、これに単一原子を用いた。従来のガラスファイバケーブルを微小な量子システムで相互接続できる。
同大学のArno Rauschenbeutel教授の研究チームは、いわゆる「ボトルレゾネータ」の中で光を捕らえた。この大きなガラス製品の表面で光は円を描いて走る。そのような共鳴装置を、光を伝搬するガラスファイバ近くに持ち込めると、2つのシステムが結合し光はガラスファイバからボトルレゾネータにクロスオーバすることができる。
「共鳴装置の円周を光波長に調和させると、ガラスファイバからの光を100%ボトルレゾネータに入れることができ、そこからさらに第2のガラスファイバに移動させることができる」とRauschenbeutel教授は説明する。
このシステムは、入力ファイバ、共鳴装置、出力ファイバでできており、極めて感度が高い。「ルビジウム原子を取り出して共鳴装置と接触させると、そのシステムの振る舞いが劇的に変わる」と同教授は言う。光が原子と共鳴状態になると、全ての光を元のガラスファイバの中にとどめておくことさえ可能だ。光は全くボトルレゾネータに移行せず、出力ファイバに出て行かない。こうして原子は、光を方向付けるスイッチとして動作する。
次の段階では、研究チームはルビジウム原子が異なる量子状態を占めることができることを利用しようと考えている。その量子状態の1つだけが共鳴装置と相互作用する。原子が、相互作用しない量子状態を占めると、光は原子がそこにないかのように振る舞う。原子の量子状態に依存して光は2つのガラスファイバのいずれかに送り込まれる。これは、量子力学の最も注目すべき特性の利用に道を開くものである。「量子物理学では、物体は同時に異なる状態を占めることができる。この原子は、同時に両方のスイッチ状態を占めるようにすることができ、結果として2つのガラスファイバケーブルのそれぞれの中で「ライト(光)」と「ノー・ライト(no light)」の状態が同時に存在する。
古典的な光スイッチに馴染んでいると、これは全く不可能であるが、「量子光スイッチ」では、両方の状態を同時に占めることは全く問題ない。
Rauschenbeutel教授は、「光と物質の間の量子エンタングルメントを創る計画だ」と話している。

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