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オーストリアのA1とCoriant、SDMと400Gのフィールドトライアル

September 26, 2013, London--コリアント(Coriant)と、テレコムオーストリアグループの子会社、A1は、空間分割多重(SDM)を用いてライブネットワーク環境で光伝送容量アップグレード、業界初のトライアルに成功した。このトライアルには、400G伝送のデモンストレーションも含まれている。
400Gフィールドトライアルは、ザルツブルクとウイーン間660kmで行われ、代替アプローチと比較して大幅に伝送距離が延びる8-QAM伝送フォーマットを使用した。生産ネットワーク環境におけるトライアルの成功には、A1が現在導入しているCoriant hiT73000光伝送システムによる40G、100Gと400G伝送との共存も含まれる。この成果では、シームレスな拡張性、自動化されたネットワーク運用、SDNインテリジェンス向けに最適化された最高クラスのシステムをベースにした将来性のあるソリューションをCoriantが顧客に提供できることが示された。
A1のCTO、Marcus Grausam氏によると、400Gは5000程度のユーザが同時にHDTV、ビデオストリーミングを視聴する、あるいは1本の光ファイバでインターネットからダウンロードして利用することを意味する。
100Gコヒレント光伝送は今後数年でLHのコアで普及するが、コンシューマやビジネスによる広帯域アプリケーション普及にともなう帯域需要の伸びに対処するには、100Gでも十分ではない。Coriantは、100G、さらにそれ以上にもシームレスに拡張できる業界最先端の光トランスポートソリューションを提供している。空間分割多重(SDM)は、そうした技術の1つと位置づけられている。
Coriant hiT73000インテリジェント光トランスポートシステムをベースにしたA1の100G WDMバックボーンネットワークで行われたSDMフィールドトライアルには、インラインマルチモードスパンおよびマルチモード増幅器を持つ敷設ファイバが含まれる。マルチレート、マルチディスタンストライアルは、100Gと400G光伝送リンクの混在を含む。スパン距離は、ウイーンとザルツブルク間を含む主要ネットワークサイト間で、最大1245km。業界初、フィールドベースSDMアップグレードシナリオにより、マルチスパン、マルチレート伝送環境のレガシーネットワークとSDMがシームレスに相互接続できることが示された。容量需要の増加にともなって既存光ネットワークアーキテクチャ内で容易にアップグレードが可能であることが示されたとも言える。
テレコムオーストリアグループCTO、Gunther Ottendorfer氏は、「400GとSDMの両方のテストは、顧客の帯域需要拡大へのCoriantの対処を反映している。2020年以降のネットワークで容量最大化に新たなアプローチが必要であるとCoriantは見ている」とコメントしている。
従来のSMF伝送は、過去10+年にわたり、商用システムで変調速度を高速化し、並列チャネル数を増やすことに最適化され、96×100G(9.6Tb/s)に達した。シングルモードシステムでさらに容量を増やすことは、情報技術の基本的な限界(e.g.シャノンの法則)により限りがある。SDMは、こうした技術的な制約を克服し、10倍、それ以上の容量拡大に寄与する。SDMは、1本のファイバ内で、複数の並列WDMシステムを利用し、追加の空間モードを有効にしてスループットを増やす。こうすることで帯域効率と伝送容量を大幅に増やすことができる。将来的に、トラフィック増によりSMFで使える容量がなくなると、SDM over MMFのような技術が、大容量ネットワーク拡張ソリューションとして有望になる。
「SDMのような先進的な伝送技術が商用システムに入ってくる前に克服しなければならない課題がたくさんあるが、今回の画期的なフィールドトライアルで、当社が光通信の現状を先へ進めようと取り組んでいることが明らかになった」とCoriantのCTO、Uwe Fischer氏はコメントしている。

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