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NICT、世界で初めて「19コア一括光増幅器」の開発に成功

September 20, 2013, 東京--情報通信研究機構(NICT)は、古河電気工業(古河電工)、その子会社OFS Fitel, LLC (OFS)、オプトクエストと共同で、マルチコアファイバ伝送用の「19コア一括光増幅器」の開発に世界で初めて成功した。
マルチコアファイバは、光ファイバ1本あたりの伝送容量を拡大する次世代技術として実現が期待されているが、複数のコアがあるため、長距離伝送に必要な光増幅器の小型・集積化が難しく、マルチコアファイバを用いた長距離伝送システムの実用化の障壁となっていた。今回開発した19コア一括光増幅器は、「19のコアの中を流れる光信号を一台で一括増幅することができ、マルチコアファイバを用いた大容量・長距離光通信の実現を大きく前進させる」とNICTは説明している。
研究グループは、19コアファイバ(2012年3月報道発表)に適合する「19コア一括光増幅器」の開発に成功した。光増幅器は、信号光と励起レーザ光の合波器、増幅用光ファイバ、アイソレータから構成されている。NICTは基本設計と伝送評価を担当、古河電工とOFSは伝送及び増幅用19コアファイバを作成、オプトクエストは光合波器とアイソレータを製作した。
今回開発した光増幅器の特徴は、レンズを用いた空間光学系方式の採用によって、複雑な光ファイバ加工技術によらずに、複数コアの光信号と励起レーザ光を一括に効率的に合波する光合波器と、増幅後の通信光が反射して再び増幅器に入射することを防ぐ19コア一括アイソレータを実現したことにある。これにより、コア数の分の増幅器が不要な、1台で19コア分の光信号を効率的に増幅できる、小型、省エネ、経済的な光増幅器原理実証機を開発できた。空間光学系方式は、簡単にコア数を減らせることから、19コア以下の様々なコア数のマルチコアファイバについても、小型・高効率・経済的な光増幅器を開発することができる。
また、今回、19コアファイバにおいて課題とされていたコア間干渉雑音を抑圧するために、コアの配置を改良した。
NICTでは、マルチコアファイバ長距離伝送の早期の実用化を目指し、通信事業者やメーカーとの取組を一層推進するとともに、光増幅器の更なる低雑音・高出力化などの性能向上を図りながら、19コア以下の実用的なマルチコアファイバに対しての適用を進めていく。

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