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JSTプログラム、2次元多共焦点ラマン顕微鏡」の実用化
September 5, 2013, 東京--東京インスツルメンツ、学習院大学、早稲田大学の開発チームは、カメラのように一瞬で画像が取得できる「2次元多共焦点ラマン顕微鏡」を世界で初めて実用化した。これはJST 先端計測分析技術・機器開発プログラムの一環。
共焦点ラマン顕微鏡は、ラマン分光法を利用してレーザ光を物質に照射したときに発生する微弱なラマン散乱光を検出し、物質種の同定や化学結合の状態、分子や結晶の構造などの分析に使われている。また、共焦点光学系を活かして透明な試料の内部までも非破壊で観察できるため、生きた細胞の新しい評価・観察手法としても注目され始めている。一般的なラマン顕微鏡は、一点に集光したレーザ光で測定したい面を走査してラマン信号を測定し、画像として描き出す必要がある。そのため、描画には10時間以上かかる場合もあった。最近では、レーザ光をライン状にして、より広範囲を走査する高速なラマン顕微鏡も普及しつつあるが、一瞬でカメラのようにラマン画像を取得することはできないため、細胞内物質の代謝の様子や、結晶構造や化学反応の変化をリアルタイムに観察することができない。
開発チームは、レーザや試料を全く動かさず、一瞬でラマン画像を取得できる「2次元多共焦点ラマン顕微鏡」の実用化に成功した。開発した顕微鏡は、レーザ光を21×21点、合計441点の格子点状(2次元)に分割して試料に照射して各点からのラマン散乱光を同時に測定し、441ピクセルの高空間分解能ラマン画像を1秒で取得できる。同じ画像を従来の走査方式の顕微鏡で観察するには、441秒(約7分)かかる。さらに、透明な試料であれば、その断面も測定できる。これにより、長時間レーザを照射することができない細胞などが時間的に変化する様子を、内部までリアルタイムで非破壊に観察することができるようになった。
装置は、東京インスツルメンツが2013年9月より受注販売を開始している。また、「JASIS 2013」(2013年9月4~6日)の同社ブースに実機が展示されている。
共焦点ラマン顕微鏡は、ラマン分光法を利用してレーザ光を物質に照射したときに発生する微弱なラマン散乱光を検出し、物質種の同定や化学結合の状態、分子や結晶の構造などの分析に使われている。また、共焦点光学系を活かして透明な試料の内部までも非破壊で観察できるため、生きた細胞の新しい評価・観察手法としても注目され始めている。一般的なラマン顕微鏡は、一点に集光したレーザ光で測定したい面を走査してラマン信号を測定し、画像として描き出す必要がある。そのため、描画には10時間以上かかる場合もあった。最近では、レーザ光をライン状にして、より広範囲を走査する高速なラマン顕微鏡も普及しつつあるが、一瞬でカメラのようにラマン画像を取得することはできないため、細胞内物質の代謝の様子や、結晶構造や化学反応の変化をリアルタイムに観察することができない。
開発チームは、レーザや試料を全く動かさず、一瞬でラマン画像を取得できる「2次元多共焦点ラマン顕微鏡」の実用化に成功した。開発した顕微鏡は、レーザ光を21×21点、合計441点の格子点状(2次元)に分割して試料に照射して各点からのラマン散乱光を同時に測定し、441ピクセルの高空間分解能ラマン画像を1秒で取得できる。同じ画像を従来の走査方式の顕微鏡で観察するには、441秒(約7分)かかる。さらに、透明な試料であれば、その断面も測定できる。これにより、長時間レーザを照射することができない細胞などが時間的に変化する様子を、内部までリアルタイムで非破壊に観察することができるようになった。
装置は、東京インスツルメンツが2013年9月より受注販売を開始している。また、「JASIS 2013」(2013年9月4~6日)の同社ブースに実機が展示されている。