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深部組織イメージングにシリコンドット

August 14, 2013, Buffalo--バッファローのニューヨーク州立大学の研究グループによると、3ヶ月前に微小なシリコン結晶を猿に大量注射したが、健康障害は起こっていない。これは、生物医学イメージング剤としてこのような材料を用いるための第一歩となる。
研究グループがACS Nano誌に発表した論文は、量子ドットとして知られるシリコンナノ結晶が人間の画像診断用の安全な手段となり得ると提案している。
「量子ドット、ナノ結晶は生物医学イメージング応用に極めて有望であるが、その毒性や劣化後どうなるかが心配されていた。シリコンナノ結晶は、他の量子ドットのようにカドミウムなどの材料は含まれておらず、一般に無毒であると見なされているので、イメージング応用の1つのソリューションとなり得る」と論文の共著者、サンノゼ州立大学バイオメディカル工学助教授、Folarin Erogbogbo氏はコメントしている。
研究グループは、シリコン量子ドットをアカゲザルとマウスとでテストした。動物それぞれに、その体重1kgあたり200mg注射した。
3ヶ月後の血液テストでは、マウスにも猿にも毒性の兆候は現れなかった。この研究機関を通じてすべての動物が健全のようだった。被験者は正常に食べ、飲み、身繕いし、探求し、排尿した。
しかし、シリコン結晶はマウスの肝臓や膵臓に蓄積してとどまり、炎症や、肝臓細胞の斑点的死を含む副作用が生じた。
興味深いことに、同じことはアカゲザルでは起こらなかった。猿の臓器は正常であり、マウスに見られたような障害はなかった。
この差から次のような疑問がわいてくると、化学、物理学、電気工学、医学のSUNY名誉教授Paras Prasad氏は言う。マウスでの毒性研究が、人間に対するナノ結晶の潜在的な効果を見定めるのにどの程度役立つのかという問題だ。
量子ドットや他のナノ粒子は、微小サイズであるので、大きな粒子が到達できないような体の部分にアクセスできる。「こういうことやその他の要素から、マウスと霊長類の解剖学的規模の違いは、薬剤分野との比較で、ナノ医療では重要であるかも知れない」とPrasad氏は捉えている。
「マウスでは問題があったが、大量服用しても悪い副作用は猿ではまったく見られなかった。この種のシリコン量子ドットを霊長類でテストしたのはこれが初めてであり、研究結果は臨床応用へ一歩近づいたと言える」とPrasad氏はコメントしている。
「シリコンがマウスの中で生物分解しなかったのは全くの驚きだった」とUB化学・生物工学教授、材料情報科学ニューヨークセンター、Mark Swihart氏は語っている。また、Swihart氏は「一般には、シリコン量子ドットは生物分解すると思われていた。それが起こらなかった。これは、われわれが表面を有機物、FDA認可の分子で覆って量子ドットの劣化進行が速くなりすぎないようにしたからだ」とコメントしている。
(詳細は、 www.buffalo.edu)

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