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理研と千葉大、絶縁部分が4μmの次世代高温超伝導ワイヤを開発
August 13, 2013, 和光--理化学研究所と千葉大学は、次世代の超伝導ワイヤとして期待されるレアアース系の「次世代高温超伝導ワイヤ」の絶縁部分の厚さを従来の10分の1となる4μmにすることに成功した。
これは、理研ライフサイエンス技術基盤研究センター構造・合成生物学部門 NMR施設の前田秀明施設長、柳澤吉紀基礎科学特別研究員、高橋雅人上級研究員、千葉大学大学院工学研究科の中込秀樹教授との共同研究グループによる成果。
超伝導は、極低温下で物質の電気抵抗がゼロとなり電流が流れ続ける現象。この性質を持つ線材(超電導ワイヤ)で作られる超伝導コイルは、強い磁場を発生させる電磁石として、核磁気共鳴分光法(NMR)、磁気共鳴画像装置(MRI)、超伝導リニアモーターなどに応用されている。近年、従来の超電導ワイヤよりも性能が高いレアアース系の次世代高温超伝導ワイヤの開発が試みられており、実用化すれば超伝導機器のさらなる高磁場化、小型化を実現するキーテクノロジーになると期待されている。同ワイヤは幅が4~5mm、厚さが100~150μmの薄いテープ状。超電導コイルとして利用するには短絡を防ぐためワイヤを絶縁材料で巻く必要があるが、従来の絶縁方法では絶縁部分がワイヤと同程度の厚さになり電流密度が下がる。これが、超伝導コイルが大型化する原因だった。絶縁部分の厚さを1桁以上薄くできれば、電流密度が大きくなり超伝導コイルの大幅な小型化が可能なため極薄絶縁を実現する技術の開発が求められていた。
共同研究グループは、ポリイミド電着法を用いてワイヤの表面に極薄のポリイミド絶縁皮膜を形成し、レアアース系の次世代高温超伝導ワイヤの絶縁部分の厚みを従来の10分の1以下にすることに成功した。この方法は、数kmの長さのワイヤにも容易に適用できるため、これまでの絶縁材料のポリマーテープを巻いたワイヤよりも少ない工程で簡単に超伝導コイルを製作できる。また、開発したワイヤの断面積の絶縁比率は10%以下で、50%以上の従来のワイヤに比べてはるかに小さく、超伝導コイルの電流密度を2倍以上に大きく、体積を5分の1以下に小型化できる。
今回の成果は、高温超伝導を使った次世代の装置や機器の実用化に向け大きなインパクトになる。
これは、理研ライフサイエンス技術基盤研究センター構造・合成生物学部門 NMR施設の前田秀明施設長、柳澤吉紀基礎科学特別研究員、高橋雅人上級研究員、千葉大学大学院工学研究科の中込秀樹教授との共同研究グループによる成果。
超伝導は、極低温下で物質の電気抵抗がゼロとなり電流が流れ続ける現象。この性質を持つ線材(超電導ワイヤ)で作られる超伝導コイルは、強い磁場を発生させる電磁石として、核磁気共鳴分光法(NMR)、磁気共鳴画像装置(MRI)、超伝導リニアモーターなどに応用されている。近年、従来の超電導ワイヤよりも性能が高いレアアース系の次世代高温超伝導ワイヤの開発が試みられており、実用化すれば超伝導機器のさらなる高磁場化、小型化を実現するキーテクノロジーになると期待されている。同ワイヤは幅が4~5mm、厚さが100~150μmの薄いテープ状。超電導コイルとして利用するには短絡を防ぐためワイヤを絶縁材料で巻く必要があるが、従来の絶縁方法では絶縁部分がワイヤと同程度の厚さになり電流密度が下がる。これが、超伝導コイルが大型化する原因だった。絶縁部分の厚さを1桁以上薄くできれば、電流密度が大きくなり超伝導コイルの大幅な小型化が可能なため極薄絶縁を実現する技術の開発が求められていた。
共同研究グループは、ポリイミド電着法を用いてワイヤの表面に極薄のポリイミド絶縁皮膜を形成し、レアアース系の次世代高温超伝導ワイヤの絶縁部分の厚みを従来の10分の1以下にすることに成功した。この方法は、数kmの長さのワイヤにも容易に適用できるため、これまでの絶縁材料のポリマーテープを巻いたワイヤよりも少ない工程で簡単に超伝導コイルを製作できる。また、開発したワイヤの断面積の絶縁比率は10%以下で、50%以上の従来のワイヤに比べてはるかに小さく、超伝導コイルの電流密度を2倍以上に大きく、体積を5分の1以下に小型化できる。
今回の成果は、高温超伝導を使った次世代の装置や機器の実用化に向け大きなインパクトになる。