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レーザピンセットでタンパク質ナノ結晶を操作

June 20, 2013, Didcot--生物学的機能の理解に不可欠なタンパク質微結晶を選んで調べる新しいプロセスでは、貴重な研究日数とリソースが節約され、ヘルスケアにおけるブレイクスルーが促進されると期待されている。
タンパク質微結晶により研究者は分子の構造や、例えば病気におけるその振る舞いを解析するが、準備と解析に時間がかかる。ラザフォード・アプルトン研究所(Rutherford Appleton Laboratory)で開発されたレーザ「ピンセット」を使う新しいプロセスは、結晶の選択を簡素化するのに役立つとみられている。
この技術を用いると研究者は微小タンパク質結晶を選択して特殊サンプルホルダーに置くことができる。サンプルホルダーは、UKの国立シンクロトロン科学施設、Diamond Light Sourceにある、構造生物学ビームラインの1つで、ここで結晶解析が行われる。X線結晶解析によってタンパク質結晶を調べることで研究者は分子の構造と機能を理解することができる。
この新しい技術は、Diamond Light Source、STFC Central Laser Facility(CLF) Technology部門の協働による成果。研究領域では、分子単独よりもタンパク質の結晶を用いなければならないが、タンパク質の多くは結晶形成が極めて小さく(<10µm)、解析のために操作して標準的なサンプルホルダーに搭載するのが非常に難しい。このため、極めて重要な結晶を捨てることにつながる。STFCの技術部は、マイクロファイバの網を作って結晶を載せる「ネット」を実現することでこの問題解消に役立てた。次にレーザを使って微小結晶を捕らえ、レーザピンセットプロセスで新しいサンプルホルダに結晶を載せる。
レーザを使ってこれらの結晶を正確に置くことによって研究者は、タンパク質微結晶を見るためにどこにX線ビームを当てればよいかを知ることができる。以前は、研究者は結晶を積んだサンプルから釣り上げなければならなかった。この過程では、個々の結晶を選んでマウントすることは不可能だった。これはむしろランダムアプローチであり、マウントする過程で条件を最適化するために膨大な時間を要した。さらに、最良の結晶、例えば最大のものがビームラインに乗せられているかどうかを確認するためのスクリーニングの時間もかかった。このプロセスを簡素化するためにレーザピンセットを使うことは、貴重な研究日数とリソースの大幅な節約となる。

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