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富士通研、送受信回路の消費電力を2割削減するクロック伝送技術を開発

June 18, 2013, 東京--富士通研究所とFujitsu Laboratories of America, Inc.は、次世代サーバに搭載されるCPUなどのチップ間データ通信を行う送受信回路において、消費電力を2割削減可能なクロック伝送技術を開発した。
近年、サーバのデータ処理能力向上のため、CPUの高性能化と共に、CPUなどのチップ間でのデータ通信速度の高速化が求められている。一方、高速化に伴い、通信を行う送受信回路に含まれるクロック伝送回路の消費電力が増大している。今回、各送受信回路に小型の発振回路を搭載し、各発振器を同期させることで、従来のクロック伝送回路を不要とし、低電力化を実現したクロック伝送方式を開発した。
この技術により、今後、次世代サーバやスーパーコンピュータなどの性能向上に貢献することが期待される。
サーバを構成するCPUなどのチップ間データ通信の高速化に伴い、通信を行う送受信回路の消費電力が増大しており、特に、送受信回路全体の消費電力に占めるクロック伝送回路の消費電力の割合が大きくなっている。クロック伝送回路は、クロック生成回路で生成したクロック信号を減衰させずに各送受信回路まで伝送するために、比較的大きな振幅で、かつ、多段で構成される信号のため多くの電力を消費する。高速化と低電力化の両立のためには、低電力な新規クロック伝送回路を開発し、送受信回路の低電力化を進める必要がある。
研究グループは、各送受信回路に小型の発振回路を搭載し、各発振器を同期させることで、従来のクロック伝送回路を不要とし、低電力化を実現したクロック伝送方式を開発した。
すべての動作基準クロック(発振器出力)は、クロック生成出力に同期するように制御される。その結果、各送受信回路への動作基準クロックの周波数と位相は、クロック生成出力の周波数と位相と一致。同期をとるための各発振器間の信号は、従来のクロック信号を伝送する場合に比べ小振幅な信号のため低電力化が可能。
同期化を実現するにあたり、隣接した発振器出力の振幅差に比例した小振幅な信号を各発振器にフィードバックする。振幅差がゼロになるようフィードバックがかかるため、最終的には振幅差はゼロになり、各発振器の出力クロックの周波数と位相は一致する。すべての隣接した発振器が接続されており、かつ、その1つがクロック生成回路に接続されているため、すべての発振器はクロック生成出力に同期するよう動作する。このように、小振幅な差信号を生成、伝送することにより、複数の同期したクロックを生成することができる。
この技術により、16GHzのクロック伝送回路の消費電力を75%削減し、送受信回路全体の消費電力を2割削減することに成功した。
今回開発した技術を用いることで、次世代サーバやスーパーコンピュータなどの性能向上に大きく寄与することが期待される。

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